Teamsの個人向け無償提供スタート/Googleの新デザインフレームワーク「Matrial You」/目の前に相手が実在するかのような「Project Starline」ほか、2021年5月の人気記事
モダンなWebサイトの実装方法として最近話題なのが「JAMスタック」。静的なHTMLを生成してWebサイトにデプロイすることで大きな負荷にも対応しやすく、HTML内に組み込んだJavaScriptを利用してインタラクティブな要素を実現することで、UXの改善も行いやすいという利点があります。
このJAMスタックの記事を書くたびに、そういえば十数年前にPublickeyのWebサイトを作るにあたり、動的生成のWordpressを使うか、静的生成のMovable Typeを使うかを検討したことを思い出します。
実は僕は以前、データベースエンジニアをやっていたことがあるので、データベースがいかにデリケートで壊れやすい存在かを、トラブルシュートにたくさん対応してきたこともあって痛いほど経験してきました。
そのためにPublickeyは静的にHTMLを生成するMovable Typeで作ることに決めたわけです。
そしてこの10年以上、Publickeyは負荷で落ちることもなく、脆弱性のトラブルに陥ることもなく、幸運にも安定稼働を続けてきました。
ですから、いまでもそのときの決断は間違っていなかったなあと思うと同時に、JAMスタックによって時代はまた静的HTML生成に戻りつつあるのかなあ、などと思ったりもします。
さて今月は前置きが少々長くなってしまいましたが、5月の人気記事を振り返っていきましょう。
2021年5月の人気記事
1位 Microsoft Teamsの個人向け無償提供が正式にスタート。友人や家族とのチャット、ToDoリストの共有、当面は300人24時間まで無料のビデオ会議など提供
2位 [速報]Google、新デザインフレームワーク「Material You」発表。デバイスからアプリケーションまでGoogleの製品すべてに適用へ。Google I/O 2021
3位 [速報]Google、目の前に相手が実在するかのような「Project Starline」発表。精細な3Dモデルのリアルタイム伝送と裸眼立体視で、Google I/O 2021
5月はMicrosoft BuildとGoogle I/Oという2つの大きなイベントがあったおかげで、この2社による大きな発表が相次ぎました。今月の人気記事ランキングにもその影響が大きく表れています。
その中で、下記の4位の記事は人気のツール「Babel」の開発チームが資金不足に見舞われているというもの。人気のオープンソースツールであっても資金的な困難を抱えている状況が浮き彫りになっています。
4位 トランスパイラ「Babel」の開発チーム、「何百万人にも使われているのに、なぜ私たちの資金は尽きようとしているのか?」。資金難により寄付を訴え
5位 [速報]マイクロソフト、自然言語をプログラミング言語にAIで変換、新ノーコード機能をPower Appsに搭載。AI言語モデル「GPT-3」を採用。Microsoft Build 2021
6位 WindowsがまたLinuxを取り込む。マイクロソフト、Linuxカーネルが備える拡張機能「eBPF」互換機能をWindowsにもオープンソースで実装へ
7位 jQuery依存を脱した「Bootstrap 5」正式リリース、IEもついにサポート対象外に。右からの横書き「RTL」など新機能
8位 AWS、コンテナにWebアプリを置くと簡単にデプロイが完了する「App Runner」リリース。オートスケール、ロードバランス、証明書の管理などすべておまかせ
9位 クラウドインフラ市場、AWSのシェアトップは変わらず。アリババ、Tencent、Baiduら中国勢が高い成長を見せる。2021年第1四半期、Synergy Research Group
10位 JavaScriptツールチェインの統一を目指す「Rome」開発チームが起業、「Rome Tools, Inc.」を立ち上げ
2021年5月の運営報告
毎月恒例の運営報告です。Google Analyticsによると、2021年5月のページビューは44万4668、ユニークユーザーは22万2771でした。
海外で大きなイベントが続いた5月とは一転して、6月は大きなイベントのない月となります。毎日、今日はどんな記事を書くべきかと目を皿にしてあちこちの情報をつつきまわる日々が続きそうです。
今月も頑張って記事を更新していきますので、引き続きご愛読のほどよろしくおねがいします。
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