AWS、独自ARMプロセッサ「Graviton 2」を用いたバースト可能な「Amazon EC2 T4g」インスタンス提供開始。評価用に年内は実質無料で利用可能に

2020年9月17日

Amazon Web Services(AWS)は、同社が独自にクラウド専用に開発したARMプロセッサ「AWS Graviton 2」プロセッサを用いたバースト可能な汎用インスタンス「Amazon EC2 T4g」インスタンスの提供を開始したと発表しました

AWS Graviton 2プロセッサは、7nmルールで製造された64ビットのArm Neoverse N1コアを使用。x86を用いたインスタンスよりも価格性能比が40%向上していると説明されています。

すでにAWS Graviton 2プロセッサを用いたインスタンスは汎用の「M6g」、コンピュート最適化の「C6g」、メモリ最適化の「R6g」などの提供が開始されていました。

今回提供が開始されたのは汎用かつバースト可能な「T4g」インスタンスです。

必要に応じていつでもCPU使用率をバーストさせることができるため、急激な負荷上昇が想定されるWebサーバや、ビルド時など特定の処理の時だけCPUへの高い負荷がかかる開発環境、動画のエンコーディング、検索エンジンのインデックス作成、ECサイトのバックエンド、仮想デスクトップ、中小規模なデータベースなど、さまざまな用途に高いコスト効果で利用できるとされています。

こうした魅力的なインスタンスであるためか、AWSはこの「Amazon EC2 T4g」インスタンスで、AWS Graviton 2の評価を行ってほしいと考えているようです。

新規および既存のAWSの利用者は、今年いっぱい、2020年12月31日まで、AWSの請求書から「t4g.micro」の使用料金を毎月750時間分、自動的に差し引く無料試用版を提供することも、T4gの提供開始と同時に発表されました。

24時間×31日=744時間ですから、1カ月あたり750時間分が無料であれば実質的には年内ずっとt4g.microが無料で使えることになります。バースト時の性能も含めて、AWSが開発したクラウドのためのARMプロセッサ「AWS Graviton 2」の性能を評価するよい機会ではないでしょうか。

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