AWS、独自開発したARMプロセッサ「Graviton 2」ベースのAmazon RDS MySQL/PostgreSQLをプレビュー開始。ARMはXeonを上回れるのか?

2020年8月4日

Amazon Web Services(AWS)は、MySQLやPostgreSQLなどのリレーショナルデータベースをマネージドサービスで提供するAmazon RDSにおいて、Graviton2プロセッサのインスタンスをベースにしたサービスをプレビューとして開始したと発表しました

Xeonサーバより40%価格性能比が高いと主張

「Graviton2」はAWSがクラウドで利用するために独自開発したARMベースのプロセッサです。

初代の「Graviton」はre:Invent 2018で発表され、翌年のre:Invent 2019では早くも二代目の「Graviton2」が登場しました。

fig2re:Invent 2019での発表の様子

Graviton2は、初代Gravitonと比べてコア数で4倍、浮動小数点計算でコアあたり2倍の速度、メモリの速度で5倍、全体として7倍の性能向上を実現すると説明されました。

さらに、Graviton2は、x86プロセッサのサーバと比較して40%の価格性能比向上があるとも説明されています。AWSはGraviton2をXeon対抗のプロセッサとして位置づけようとしているのです。

それを裏付けるように、2020年6月にはAmazon EC2においてGravtion2ベースのインスタンスが正式にリリースされ、今回、Amazon RDSでGraviton2ベースのインスタンスを利用したMySQLとPostgreSQLのサービスがプレビューとなったわけです。

今回プレビューとなったAmazon RDSの価格を16vCPU、64GBメモリという同じコア数とメモリ容量を持つGravtion2とXeonで比べてみると、Graviton2ベースの「db.m6g.4xlarge」は1時間あたり1.216米ドル、Xeonベースの「db.m5.4xlarge」は1時間あたり1.368米ドルと、Graviton2インスタンスの方が約1割ほど安価に設定されています。

Graviton2に対する評価が本格的に始まる

利用者にとってマネージドサービスで提供されるデータベースサービスは、ちゃんと動いてさえくれればその背後にどのようなプロセッサが働いているかは気にする必要がありません。

そのため、もしもGraviton2の方が価格性能比が高いとなれば、利用者は一斉にGraviton2ベースのインスタンスの利用に走ることになるでしょう。

果たしてGraviton2の性能はどれほどのものなのか。実際のワークロードでの本格的な評価が、これからユーザーの手で下されることになります。

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