マイクロソフトのテクノロジーはどこへ向っているのか。Visual StudioのGit強化、Windowsのコンテナ対応、そしてBotフレームワークや拡張現実のHoloLens登場 [PR]

2016年5月10日

いまやマイクロソフトが提供する開発ツールやプラットフォームは、WindowsだけでなくLinuxやMac、さらにはiOSやAndroidなどのアプリケーション開発にも対応しようとしています。

それだけにとどまらず、Cortanaのような音声によるコンピュータとの対話、現実世界を映像で拡張するHoloLensにまで、マイクロソフトのテクノロジーは広がり始めています。

同社のテクノロジーはどこへ向かおうとしているのでしょうか、同社のエバンジェリストたちに聞きました。

fig 左から、エバンジェリストの井上大輔氏、井上章氏、高橋忍氏、小塚 大介氏

Microsoft ♡ Developers

ソフトウェア開発者に向けてマイクロソフトのさまざまなテクノロジーが集約されているVisual Studio。Build 2016で発表されたように、Xamarinとの統合によってWindowsアプリケーションだけではなく、iOS、Androidのネイティブアプリケーション開発も可能になったことは大きな注目を集めました。

しかしVisual Studioの進化はそれだけではありません。例えば、Buildの発表に合わせてリリースされたUpdate 2では、Gitがバージョン管理機能の標準になりそうな勢いで強化されていると、エバンジェリストの井上章氏。

「いままでもVisual Studioのバージョン管理には、Team FoundationのバージョンコントロールとGitの両方が使えていますが、Build 2016のタイミングで公開されたVisual Studio 2015 Update 2では、Gitで大規模なファイルを扱うGit LFS(Large File Storage)のサポート、新しいGitコマンドのサポート、履歴ビューでコミット一覧を見やすくするなどの強化が行われていて、GitがVisual Studioの標準的なバージョンコントロールになるくらいの勢いです」

その理由は、開発者にとって使いやすいもテクノロジーをどんどん採用しているからだと説明するのは、エバンジェリストの高橋忍氏。

「開発者の人たちにとって使い慣れたツールがいいというのは、ソフトウェアを開発している私たちマイクロソフト自身が一番分かっています。開発者の皆さんにGitが人気があるのならそれを取り入れましょうというのは、いまのマイクロソフトにとって自然な流れです」

figMicrosoft Connect(); 2015で、マイクロソフトExecutive Vice President スコット・ガスリー氏は「Microsoft ♡ Developers」とメッセージ

Git/GitHubの採用はVisual Studioだけでなく、マイクロソフト全体に及んでいます。例えば同社が主導するオープンソースソフトウェア、例えばTypeScriptやVisual Studio Codeなど、そのほとんどすべてがGitHubでホストされています。

さらに、「Microsoft AzureのドキュメントもGitHubに置いてあるので、なにかおかしいところに気がついたら、プルリクをすれば取り込まれて修正されるようになっています」とエバンジェリストの井上大輔氏は説明します。

Docker対応も推進

開発者の目線でテクノロジーを採用していく方向性は、Visual StudioにおけるGitだけではありません。例えば、いま多くのエンジニアが注目しているDockerも、マイクロソフトが積極的に取り込んでいるテクノロジーです。

マイクロソフトはDcoker社と2014年に提携を発表。Dockerの機能は今年登場予定のWindows Server 2016に搭載されるほか、Windows 10にもDockerの実装を行っていくことを明らかにしています。

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さらにMicrosoft Azureでは、コンテナを大規模に展開するためのオーケストレーションツールとしてMesosを採用した「Azure Container Service」も発表。マイクロサービスベースのアプリケーションの開発と展開を支える「Azure Service Fabric」においても「将来的にはDockerをサポートしていく」(井上大輔氏)と、今後もDocker対応を推し進めていくことを明確にしています。

自然言語でコンピュータと対話する「Cortana」

マイクロソフトが新たなテクノロジー領域として開拓しているのが、「Cortana」による会話を通じたコンピュータとの対話や、HoloLensによる拡張現実の新しいユーザー体験です。

「Cortana」は、マイクロソフトの会話サービスの名前であるだけでなく、機械学習やデータ分析といった、同社が提供するインテリジェントなサービスの新しいブランドとして使われています。

Build 2016で発表された「Cortana Intelligence Suite」は、自然言語を理解し、人間と会話することができる機能をアプリケーションに組み込めるという、非常に野心的なフレームワークです。

マイクロソフトCEO、サティア・ナデラ氏は、.NETランタイムがアプリケーションのコアであるように、Cortana Intelligence Suiteもインテリジェントなアプリケーションのコアになる存在だと説明しています。

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そして実際に企業からCortanaに関する問い合わせが増えていると、高橋忍氏。

「CortanaのようなAI的なものを自社の業務に使いたい、という問い合わせは多くなっていますね。サポート業務をAIやBotの仕組みを使って簡略化できないか、という問い合わせが特にたくさんきています」

井上章氏は、マイクロソフトの強みとしてディープラーニングや言語解析などのサービスが用意されているだけでなく、それらを連携するようにフレームワーク化されている点にあると指摘します。

拡張現実のHoloLensも業務アプリケーションへ

HoloLensは、現実の景色の上にCGをリアルタイムに重ねることで、現実に見えるものを拡張していくというデバイス。Build 2016では、医学生が人体の仕組みを学ぶようすや、遠隔地にいる人をまるで自分の部屋にいるように投影するといったデモが行われました。

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これもすでに業務アプリケーションでの応用が期待されていると高橋忍氏。「国内ではJALの取り組みが発表されています」。例えば、飛行機のジェットエンジンを整備する際にHoloLensを使うと、実際に見ているジェットエンジンの部品の上にマニュアルの解説が投影され、いちいちマニュアルを見返さなくても正確かつ迅速に整備できるようになる、とのこと。

「いままで入ることのできなかった領域にコンピュータやクラウドの力を入れられるようになります。製造業や流通の現場にも、HoloLensのアプリケーションの可能性があると思います」(高橋忍氏)

de:codeはグローバルツアーの1つ

マイクロソフトが5月24日から都内で開催するデベロッパー、ITエンジニア向けのイベント「de:code 2016」は、こうした最新のマイクロソフトテクノロジーが2日間に渡って詳細に解説されます。

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このイベントのためにマイクロソフト本社からも多くのスピーカーが来日し、通常のセッションだけでなくチョークトークと呼ばれる対話セッションが開催されます。

「de:code 2016」は日本マイクロソフトが主催する国内ベントですが「Buildのグローバルツアーとしてセッションが作られているので、ある意味でBuild Japan的なイベントです」(井上章氏)と、その内容は現時点で最新の情報が盛り込まれる予定です。

「事前にNDA(非開示契約)を結んで参加していただくようなセッションもいくつかあり、本当に最新のロードマップや計画を含む話が聞ける予定です」(井上大輔氏)

さらに、一部のチョークトークは海外のスピーカーと英語で直接対話できる予定(苦手な人もマイクロソフトのエンジニアが日本語で補足してくれるそうです)。技術的な内容も構成も、デベロッパーにとって大いに手応えのあるものになるでしょう。

de:codeに行けない方へグッドニュース!
5月24日、25日に「channel 9」にて基調講演と一部の注目セッションをライブ配信します。来日した大物スピーカーのインタビューも聞けるかもしれません。ご期待ください。

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(本記事は日本マイクロソフト株式会社提供のタイアップ記事です)

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Junichi Niino(jniino)
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