Windowsコンテナに対応した「SQL Server on Windows container」ベータ公開が中止に。Linux版のSQL Severコンテナ対応は継続
マイクロソフトは、ベータ版として公開していたWindowsコンテナ用のSQL Serverである「SQL Server on Windows container」の公開を中止すると発表しました。
これにより、Docker Hubの「microsoft/mssql-server-windows-developer」と、「microsoft/mssql-server-windows-express」は公開が停止されます。
SQL Server on Windows containerのベータ公開は2017年から行われており、上記のイメージも最後のアップデートは3年前。開発は事実上止まっていたように見えます。
Linux版のDocker Engineに対応したLinux版SQL Serverの「Microsoft SQL Server」は今までと変わりなく配布が継続されます。
ベータ公開の中止を発表したブログ「Update - Beta program for SQL Server on Windows container is suspended.」では、中止の理由を次のように説明しています。
Due to the existing ecosystem challenges and usage patterns we have decided to suspend the SQL Server on Windows Containers beta program for foreseeable future. Should the circumstances change, we will revisit the decision at appropriate time and make relevant announcement.
現在のエコシステムの課題や利用形態などを考慮すると、当面の間、SQL Server on Windows Containersのベータプログラムを停止することにしました。状況が変化した場合には、適切な時期にこの決定を再検討し、適切な発表を行います。
これをこのまま受け止めるとすれば、Windowsコンテナ用のSQL Serverには十分な需要がなかったように思えます。
マイクロソフトはAzure ArcによってコンテナとKubernetes環境を用いたハイブリッドクラウド戦略を積極的に推進しようとしています。
そうしたなかでSQL ServerのWindowsコンテナは十分な需要がないとすると、少なくともWindowsでのSQL Serverのようなデータプラットフォームは、コンテナによるポータビリティよりもプラットフォームが提供するサービスとして展開するという方向性が明確になっている、ということなのかもしれません。
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