ニフティがクラウドサービス参入、本日開始! サーバ準備5分、国内だから低レイテンシ、SaaSの提供も
ニフティは1月26日、自身のサービス基盤を活用したクラウドサービス「ニフティクラウド」の提供を27日15時から開始すると発表しました。
特徴は、国内のデータセンターを利用するため低レイテンシであること、サーバ準備は5分で行え、1時間単位で課金できるなどAmazon EC2のように迅速で柔軟なインスタンスの展開が可能なこと、管理のためにグラフィカルなオンラインダッシュボードが用意されていることなどです。
すでに国内のメディアでも報道されています。
利用できるインスタンスの種類は、Mini、Small、Medium、Largeの4種類が選べ、OSもCentOS、RedHat Linux、Windows Server 2008の3種類が選べます。基本ディスク容量は30GB。
同社はインスタンスの提供だけでなく、今後ロードバランサーやパッチ適用、ファイアウォールなどの追加サービスを4月に導入予定で、さらにPaaS(Platform as a Service)、SaaS(Software as a Service)の分野へも参入することを発表の中で明らかにしています。
AmazonやIIJと料金を比べてみると?
同社の料金設定を見てみましょう。もっとも安いMiniインスタンスの料金は、1時間あたり12.6円もしくは1カ月7875円。
ちなみにAmazon EC2はもっとも安いSmallインスタンスの料金が1時間あたり0.085ドル(Linux/UNIXの場合)。1ドル100円換算で約8.5円と安めですが、ニフティは競合を意識した料金設定をしているように見えます。
両社の最安プランでのCPUは1GHz相当とほぼ並んでいますが、メモリはニフティが512MBなのに対しAmazonはメモリ1.7GB、ストレージも160GBと性能面ではAmazonの方が優位な値になっています。ただしデータセンターが国内にあるためレイテンシなどの点ではニフティが優位となりそうです(AmazonもCDNなどがありますので、単純な比較として)。
また、国内でのクラウドサービスを昨年いち早く開始したIIJの「IIJ GIO」では、安いプランで月間8000円から。価格的にはこちらもほぼニフティと横並びです。
GIOではロードバランサやNAS、SANなどのストレージ、モニタリングなど専門性の高いサービスが用意されているのが特徴ですが、一方でIIJ GIOは新規申し込みでサーバが提供されるまで最短3営業日、時間課金もなしとのことで、どちらかといえばホスティングのサービスに近い印象で、ニフティやAmazonのクラウドサービスとの直接の比較はしにくいといえます(IIJ GIOは今後パブリッククラウド向けのプランも予定しているようです)。
いずれにせよ日本の利用者にとって、日本語でサポートが受けられ、日本国内のデータセンターで提供されるクラウドが登場し選択肢が増えたことは歓迎すべきことでしょう。
Amazonクラウドも昨年末には日本法人を立ち上げて、日本での本格展開をにらんでいますし、日本にデータセンターを設置するという可能性もあります。また、Yahoo! Japanもクラウド構想をすでに発表し、今年中のサービス開始が期待されており、それとは別にソフトバンクグループもクラウドサービス「ホワイトクラウド」を昨年発表。IIJも「IIJ GIO」で新たなサービスの追加を予定しています。
1月にはマイクロソフトがWindows Azureの商用サービスを開始したことを皮切りに、今年はクラウドへの本格参入が相次ぐ年であることは間違いありません。特にNiftyがAmazonクラウドを意識した価格設定で参入したことで、今後参入してくるベンダも同様の価格設定を強く意識せざるを得ない状況になったといえそうです。
楽天も参入!?
ところで。余談ですが1月21日の楽天 三木谷社長が以下のようなつぶやきをしていました。ご本人はノリでつぶやかれたのでしょうけれど、楽天がクラウドサービス参入にしてきたら、面白いことになりそうですね。Amazonがクラウドに参入してきたことを考えれば、楽天が参入してきてもおかしくありませんし。
追記(2010/1/27):Amazonの料金計算が間違っていましたので直しました。
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