ウガンダ共和国、大統領がインターネットとの切断を命令、大統領選投票日の前日に
アフリカ大陸の赤道直下に位置し、日本の本州とほぼ同じ面積に約4200万の人口を抱えるウガンダ共和国は、先週木曜日、2021年1月14日に大統領選挙の投票日を迎えました。
主要な大統領候補は2人。1986年から長期政権を維持する現職の76歳、ヨウェリ・ムセベニ大統領。そしてムセベニ大統領の「独裁を終わらせる」と主張し野党から立候補した人気レゲエ歌手のボビ・ワイン氏37歳です。
この投票日の前日、ウガンダ政府はインターネットプロバイダに対して業務停止命令を発出。
午後7時にはウガンダ国内とインターネットとの通信がほぼ途絶したと、CDNプロバイダのCloudflareが報告しています。
ウガンダのインターネットエクスチェンジ(IX)のトラフィックを示す「UIXP Portal」のグラフを見ても、13日午後7時ごろからばっさりとトラフィックが落ちているのが分かります。そして18日月曜日にようやくトラフィックが戻り始めたようです。
ウガンダをインターネットから切断することを命じたのはムセベニ大統領だと、CNNが1月18日付の報道「ウガンダ大統領選、ムセベニ氏が再選 野党候補は不正訴え」で伝えています。ムセベニ大統領は「フェイスブックなどのソーシャルメディアを『傲慢さ』を理由にブロックするようにインターネットプロバイダーに命令をした」とのこと。
そしてインターネットとの切断により「票を登録する生体認証機器が動かないことから多くの投票所で手動での投票やチェックをしいられた」など投票の集計などにおける問題も発生していたと報じています。
ウガンダの選挙管理委員会は16日にムセベニ氏の当選を発表。対立候補だったボビ・ワイン氏は不正選挙だと訴えています。
アフリカではコンゴ共和国でも2019年1月に行われた同国初の民主的な大統領選の直後にフェイクニュースの流布を理由にインターネットを遮断したことがあり、昨年にはロシアもインターネットとの遮断実験を行い、成功したと報道されています。
これからもインターネットに国境を作る試みは増えていくことになるのでしょう。
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