ニュースメディアの求人、記者や営業よりソフトウェアエンジニアが高給待遇。米Glassdoor
1つ前の記事で、IT業界の求人でもっとも平均年収が高い職種が「ソフトウェアエンジニアリングマネージャ」で、その平均は約1800万円だったという、米Glasdoorの情報を紹介しました。
その同社からの情報でもう1つ興味深い情報があったのであわせて紹介しましょう。それは、ニュースメディアの求人でいちばん高年収なのは記者でもプロデューサーでも営業でもなく、ソフトウェアエンジニアである、というものです。
記事「The State of News Media Jobs Today: Which Roles Are Most In Demand and What Do They Pay」(ニュースメディアの仕事の現状:どの役割がもっとも求人が多く、その年収は?)で、同社は85のニュースメディア企業からの求人情報などを基に分析したとのこと。記事から引用します。
In this analysis, we gathered a sample of 85 news media companies, focusing on those with a digital, print, broadcast or radio emphasis. We then utilized Glassdoor’s unique jobs and salary data to take a deeper dive into today’s most in-demand media jobs and what these jobs pay.
この分析において、私たちは85のニュースメディアをサンプルとして選びました。これらはデジタルメディア、プリントメディア、報償局、ラジオ重視などのそれぞれにフォーカスしています。これらとGlassdoor独自の求人と年収情報を基に、もっとも求人の多い職種やその年収などについての分析を行いました。
その結果を表にしたものが下記です。Software Engineerの年収が9万3900ドル(1ドル110円換算で約1033万円)と、他の職種よりも飛び抜けて高いことが分かります。
上記の表を日本語の肩書きに直して年収の高い順に並べ直したのが下記の表です。こうしてみると、ニュースメディアにとってもっとも高い年収で求人しているのがソフトウェアエンジニア、次が営業部門の管理職などで、記者の年収はソフトウェアエンジニアの半分にも満たない額です。
一方、求人数で見ると圧倒的に多いのが営業担当。次が記者となっています。
ここから分かることは明白でしょう。1つは、ニュースメディア企業はいまビジネスを前進させるためにソフトウェアエンジニアを必要としているということです。メディアビジネスがデジタルビジネスになろうとしていることは誰の目にも明らかななかで、優秀なソフトウェアエンジニアは企業にとって高年収で遇するべき貴重な人材であるということ。
そしてもう1つは、コンテンツをお金にするための営業組織も優秀な人材が欠かせなくなってきている、ということでしょう。
ニュースメディアにとって花形の職場はコンテンツを作る記者やプロデューサーであることは変わらないと思いますが、企業にとって高い給料を払ってでも獲得したい人材はそれとは別部門である、というわけですね。
これは米国を中心とした求人市場における分析ですが、日本市場も同じことが起こるのではないでしょうか。
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