WebAssemblyガベージコレクション機能がWeb標準の「Baseline」に。Safari 18.2でのサポート開始で
WebAssemblyのガベージコレクション(WasmGC)機能が、広く利用できるWeb標準としてラベル付けされる「Baseline」となったことが明らかになりました。
これにより多くのWebデベロッパーが安心してWasmGCの機能を利用できることになります。
WasmGCとは
Webブラウザ上で高速に実行できるバイナリフォーマットとして登場したWebAssemblyは、もともとガベージコレクション機能がありませんでした。
そのためにWebAssemblyアプリケーションを開発するプログラマは、プログラマ自身が確保したメモリの解放に責任を持つ必要がありました。もしも確保したまま解放し忘れたメモリがあると、どんどんプログラムが確保するメモリが増大していき、最終的にはメモリ不足などのエラーを引き起こすことになるためです。
WasmGCは、このWebAssemblyにガベージコレクション機能を持たせる機能です。アプリケーションによって割り当てられたメモリが参照されなくなり不要になったと判断されると、自動的に解放されます。
WasmGCが登場したことにより、JavaやPHP、Kotlinといったガベージコレクションを備えたプログラミング言語がWebAssemblyに対応しやすくなります。
すでにKotlinやDartなどのプログラミング言語がWebAssembly対応を進めているところです。
SafariがWasmGCのサポートを開始
今回、このWasmGCがラベル付けされたWeb標準の「Baseline」とは、Web標準の機能がクロスブラウザ対応の安定した実装であり、Webアプリケーション開発者が安心してその機能を用いてアプリケーションを開発できることを示すものです。
参考:Web標準に新たなステータス「Baseline」が登場。変化し続けるWeb標準のうちWeb開発者が安心して使える機能群を示す。MDNドキュメントなどで表示開始
Baselineはほぼ毎月アップデートされています。WasmGCはChromeとFirefoxではすでに実装されていましたが、2024年12月にリリースされたSarari 18.2がWasmGCに対応したことで、WasmGCがBaselineに含まれることになりました。
あわせて読みたい
NVIDIA、ローカルで動く基盤モデルでPCデスクトップ上に表情のあるキャラクターを表示。アプリの使い方や文章の要約などをしてくれる「Project R2X」発表
≪前の記事
「Google Agentspace」発表、生成AIがGoogleドライブ、Slack、SharePoint、JIRAなど社内情報を横断的に読み取って質問に答えてくれる