Python 3.14、新型インタプリタ採用で実行速度が最大30%改善の見通し
今年(2025年)10月にリリースされる見通しのPython 3.14では新型のインタプリタが採用され、実行速度が最大で30%改善される見通しであることが分かりました。
テイルコールに基づく新型インタプリタ
現在開発中のPythonの最新バージョン「Python 3.14」では、新型インタプリタが採用される予定です。
Python 3.14のドキュメント「A new type of interpreter」では、この新型インタプリタについて次のように説明されています。文中の「CPython」とは、Pythonの標準実装のことで、C言語で実装されているため通称CPythonと呼ばれています。
A new type of interpreter based on tail calls has been added to CPython. For certain newer compilers, this interpreter provides significantly better performance. Preliminary numbers on our machines suggest anywhere from -3% to 30% faster Python code, and a geometric mean of 9-15% faster on pyperformance depending on platform and architecture.
CPythonに、テイルコールに基づく新しいタイプのインタプリタが追加されました。特定の新しいコンパイラ(訳注:によるビルド)において、このインタプリタはかなり高い性能を提供します。 私たちのマシンでの予備的な計測では、Pythonコードの実行速度が-3%から30%速くなりました。また、プラットフォームとアーキテクチャに依存するpyperformanceベンチマークでは幾何平均で9%から15%速くなりました。
説明によると、現時点でこれはClang19もしくはそれ以後のコンパイラとx86-64およびAArch64プラットフォームの組み合わせでのみ有効とされていますが、今後GCCでもサポートされることが期待されるとのことです。
この新型インタプリタはGitHubのIssueとして登録された「A new tail-calling interpreter for significantly better interpreter performance #128563」による改善で、互換性に影響することなく性能向上を実現するとされています。
Pythonはおおむね毎年10月頃にバージョンアップが行われます。今回のPython 3.14も、今年10月頃に登場することが期待されます。