富士ソフトを巡る投資ファンドによる買収合戦、KKRによる買収で決着、非公開化へ

2025年2月21日

大手独立系システム開発企業の「富士ソフト」は、米国の投資ファンドであるKKR(Kohlberg Kravis Roberts & Co. L.P:コールバーグ・クラビス・ロバーツ)による公開買い付けにより買収されることを明らかにしました

すでに国内の主要報道機関でも報道されています。

富士ソフトは大手独立系のシステム開発企業です。1970年に設立され、現在の従業員数は単体で約1万人、関連会社との連結では約1万9000人になります。売上高は単体で約2000億円、連結では約3000億円の規模。1992年に東京証券取引所に上場しています。

同社は昨年(2024年)6月にKKRによる買収意向表明が行われ、KKRと富士ソフトのあいだで協議が行われていたところ、9月には同じく米国の投資ファンドであるベインキャピタル(Bain Capital LLC)が、KKRの買収額を5%程度上回る価格で富士ソフトの買収意向を発表。

富士ソフトをめぐって、KKRとベインソフトによる買収合戦が行われることになりました。

参考:「富士ソフト」を巡って6000億円規模の買収合戦が開始。KKRが5800億での買収計画、ベインが6000億で対抗。なぜそんなに人気が?

しかし買収価格を双方が引き上げていく中でベインキャピタルは今月17日に撤退を表明。KKR単独で富士ソフトの株式を過半数取得することが確定しました。

富士ソフトは2022年に東証一部から東証プライムへ移行したことなどが示す通り、国内を代表する大手システム開発企業の一角である一方で、歴史の長い国内企業として秋葉原をはじめ多くの自社ビルなどの不動産を保有する企業としても知られています。

投資ファンドによる買収の背景には、これら不動産などの資産を売却することによる利益を目論んでいるとの推測もあります。過半数を超える株主となるKKRが非公開後の富士ソフトをどのような方針で経営するのかが今後の注目点と言えるでしょう。

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