ミッチェル・ハシモト氏によるターミナルエミュレータGhosttyが早くもバージョンアップ「Ghostty 1.1.0」登場。IME入力の信頼性と一貫性が大幅に改善
HashiCorpの創業者の一人であるミッチェル・ハシモト氏がオープンソースで開発しているターミナルエミュレータ「Ghostty」の最新バージョンとなる「Ghostty 1.1.0」が登場しました。
Ghostty 1.1 is now available. Over 250 closed issues from 84 contributors! See the release notes here: https://t.co/AyxqqblpmJ Major highlights include: SSD for Linux, IME improvements, macOS Native (and Better!) Alpha Blending, many Quick Terminal improvements, much much more. pic.twitter.com/Dn3e75C7Bi
— Mitchell Hashimoto (@mitchellh) January 30, 2025
GhosttyはmacOSとLinuxに対応した、高速で機能豊富、それぞれのOSネイティブなUIを備えたターミナルエミュレーターです。
他のどの端末エミュレータよりも多くのxtermエスケープシーケンスをサポートしているだけでなく、スタイル付きアンダーライン、Kitty キーボードプロトコル、グラフィックプロトコル、ライト/ダーク モード通知、ハイパーリンクなど、最新のターミナル仕様のほとんどすべてをサポートしていると説明されています。
また大半がZig言語で記述されており、テキストの入出力、エスケープシーケンスの処理、レンダリング、入力のレイテンシなどで高い性能を実現するとのことです。
IME入力の信頼性と一貫性が大幅に改善
Ghostty 1.1.0で私たち日本人に関係するアップデートとして、IME入力の信頼性と一貫性が大幅に改善された点が挙げられます。
リリースノートによると、CJK(中国語、日本語、韓国語)、デッドキー(アクセント付き文字など)、絵文字、Unicodeの16進数入力などがテストされ、特にmacOSではAquaSKKとmacSKKの日本語入力IMEや他のIMEもテストされ動作が確認されたとのことです。
その他、Linuxではサーバサイドデコレーションが採用され、幅広いデスクトップ環境でよりネイティブアプリケーションに近い見た目と操作性が実現されました。これまではウィンドウの装飾にクライアントサイドデコレーションが用いられていたことで、多くの環境でGNOMEアプリケーションに見えすぎていたものが改善されたと報告されています。
サーバサイドデコレーションはWaylandでのみサポートされており、X11では引き続きクライアントサイドデコレーションが用いられます。
macOSでは、半透明の表示を実現するアルファブレンドの処理がデフォルトでP3色空間で行われるようになりました。これまではsRGBカラースペースでブレンド処理が行われていたことで、描画色と背景色が異なる彩度の高い色である場合、テキストのエッジが暗くなっていましたが、P3色空間でのブレンド処理によってより広い色域でこの問題が軽減され、Terminal.appやTextEditのようなmacOSネイティブアプリケーションの外観と一致するようになりました。
その他、多くのアップデートについてはリリースノートをご覧ください。
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