ChatGPTがGoogleドライブを始めとする社内データソースを読み取って回答可能に、企業向けのChatGPT Teamsでベータ提供を開始
OpenAIで企業向け製品などのプロダクトリードを務めるNate Gonzalez氏は、ChatGPT TeamsがGoogleドライブに接続し、保存されたコンテンツを読み込んで回答できるようになる新機能を今後数週間のうちにβ版として提供開始すると発表。今後さらに他のデータソースにも対応する構想を明らかにしました。
下記は、その機能をOpenAI社内で使っている様子を収めたデモ動画のキャプチャです。
チャット欄の下にある「Search」「Deep research」アイコンの右側に「internal knowledge」アイコンが追加され、同社のGoogleドライブが接続されていることが示されています。

これによりGoogleドライブに保存されたコンテンツによるOpenAIの社内ナレッジをChatGPTが読み込み、ユーザーの権限の範囲内で参照できる情報にを基にして回答できるようになります。
下記はOpenAI社内のChatGPTに対して「Project pyxisとは何?」と質問したところ、社内データを参照して答えてくれているところ。

このChatGPTによるモデルは組織独自のプロジェクト名や略語、チーム特有の用語などを学習していくとのことです。
OpenAIではGoogleドライブ以外のデータソースに接続するためのコネクタの開発に取り組んでいるところで、今後はコラボレーションツール、プロジェクト管理ツール、データ分析プラットフォーム、CRMなど企業内で使われている主要な情報源をすべてサポートしていくとのことです。
これら新しいコネクタも間もなくChatGPT TeamsやEnterprise版の顧客に展開されていくとしています。
Googleやアトラシアンがすでに先行してサービス開始
生成AIが企業内の情報源を参照して回答してくれるツールは、すでにGoogleのAgentspace、アトラシアンのRovoなどのサービスが登場しています。
- 「Google Agentspace」発表、生成AIがGoogleドライブ、Slack、SharePoint、JIRAなど社内情報を横断的に読み取って質問に答えてくれる
- アトラシアン、AIが社内情報をサービス横断で学習し質問に答える「Atlassian Rovo」正式リリース。JiraやConfluence、Googleドライブ、GitHub、Slackなどに対応
ChatGPTの普及によって生成AIのチャットにおいて高い存在感を示しているOpenAIが、企業向けのこの分野に参入するのは時間の問題だったと言えるでしょう。
しかしすでにGoogleやアトラシアンが先行してサービスを投入していることで分かるとおり、このサービスは比較的参入が容易と見られており、今後もさまざまな企業が生成AIを用いた基本的なサービスの1つとして同様の機能を持つサービスを投入してくると予想されます。
そうした中でOpenAIがこの先のサービスをどのように展開していくかが、同社がこの市場で戦っていけるかどうかを示すポイントになるのではないでしょうか。
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