Apple、Xcodeで使われているビルドエンジン「Swift Build」をオープンソースで公開。WindowsとLinuxもサポートへ
Appleは、Xcodeで使われているビルドエンジン「Swift Build」をオープンソース化したと発表しました。
Appleの発表を読み解くと、Swift Buildをオープンソース化する狙いは2つあるようです。
1つは、Swiftのエコシステムにおいて、XcodeのビルドエンジンであるSwift Buildと、Swift Package Managerに搭載されているビルドエンジンという2つの異なるビルドエンジンが存在していた状態を、Swift Buildに統一することです。
これには比較的単純なビルドエンジンであるSwift Package Managerのビルドエンジンを高機能なSwift Buildに置き換えることで、Swiftエコシステムのビルドエンジンを今後さらに発展させていくための優れた基盤となることも含まれています。
そしてもう1つは、Swift Buildの実行環境をmacOSだけでなくWindowsとLinuxにも広げることで、Swiftのクロスプラットフォーム対応を進めることです。
Swift BuildをSwift Package Managerに統合
Appleはまずオープンソース後の最初のステップとして、Swift BuildをSwift Package Managerと統合することを目的としたプルリクエストを行ったとしています。下記はオープンソース化を発表したブログからの引用です。
As a small first step towards this vision, today the team is submitting a pull request to begin the process of integrating support for Swift Build in SwiftPM as an alternate build engine.
このビジョンに向けた小さな第一歩として、今日、Swift Package Managerのビルドエンジンの代替としてSwift Buildを統合するプロセスを開始するプルリクエストを提出しています。
また、オープンソース化されたSwift BuildはWindowsとLinuxもターゲットにすると明示されました。
The open source repository also includes support for targeting Linux and Windows.
Swift言語はコンパイラなどはすでにオープンソース化されており、WindowsやLinux対応が進められています。Swift BuildなどのツールチェーンについてもWinowsやLinux対応が進めば、WindowsやLinuxでもmacOSやiOSのアプリケーションをSwiftで開発するための環境が揃っていくことが期待されます。
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