野中郁次郎氏が死去、89歳。スクラムの基盤となった論文「The New New Product Development Game」や書籍「失敗の本質」など
一橋大学名誉教授の野中郁次郎(のなか いくじろう)氏が2025年1月25日土曜日、肺炎のため東京都内の自宅で死去しました。89歳でした。
ナレッジマネジメント(知識経営)の世界的権威として知られる一橋大学名誉教授の野中郁次郎(のなか・いくじろう)氏が1月25日、肺炎のため東京都内の自宅で死去しました。89歳でした。旧日本軍が判断を誤り続けた要因を分析した著書「失敗の本質」などが知られています。https://t.co/qYefEehCfn
— 日経 社会ニュース (@nikkeishakai) January 26, 2025
野中氏は上記のポストにあるように、旧日本軍が判断を誤り続けた要因を分析した書籍「失敗の本質」の著者の一人として広く知られていますが、IT分野においてはアジャイル開発の代表的手法である「スクラム(Scrum)」の基盤となった、ハーバードビジネスレビュー誌に掲載された論文「The New New Product Development Game」の著者としても有名です。
The New New Product Development Gameは、一橋大学の野中郁次郎氏と竹内弘高氏が日本企業のベストプラクティスについて研究した論文です。
スクラムはこの論文などを参考に、1990年代半ばにジェフ・サザーランド(Jeff Sutherland)氏らが提唱しました。
サザーランド氏と野中氏は、2011年に東京で開催されたイベント「Innovation Sprint 2011」で初めて顔を合わせることになります。Publickeyではそのときの二人の基調講演を記事として公開しています。
- スクラムの生みの親が語る、スクラムとはなにか? たえず不安定で、自己組織化し、全員が多能工である ~ Innovation Sprint 2011(前編)
- 重要なテクノロジーは10名以下のチームで作られた ~ Innovation Sprint 2011(後編)
2013年にはイベント「Scrum Alliance Regional Gathering Tokyo 2013」の野中氏の基調講演「実践知リーダーシップとアジャイル/スクラム ~ イノベーションを生み出し続ける組織に求められるリーダーとは」も記事化しています。
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