単一のSwiftコードからiOSアプリとAndroidアプリが作れる「Skip 1.0」正式リリース。SwiftをKotlinへトランスパイル

2024年8月22日

単一のSwiftコードからiOSアプリとAndroidアプリの生成を可能にするツール「Skip 1.0」正式リリースが発表されました

「Skip 1.0」正式リリース

iOSのネイティブアプリケーション開発には、開発ツールとしてXcodeを使い、Swift言語を用いてプログラミングを行うのが、iOSの開発元であるAppleが推奨する方法です。一方、AndroidではAndroid Studioを開発ツールとしてKotlin言語を用いてプログラミングすることがGoogleによって推奨されています。

しかしiOSとAndroidの両方で同じモバイルアプリケーションを展開したい場合、異なる開発ツールを使い分ける手間やプログラミング言語の学習コストを考えると、できれば単一のソースコードから2種類のプラットフォームへ展開できることが望ましいでしょう。

最近ではこうしたニーズに対応して単一のソースコードからマルチプラットフォーム展開を可能にする開発環境が複数登場してきました。Dart言語とFlutterフレームワークやKotlin言語によるマルチプラットフォーム対応、マイクロソフトの.NET MAUIなどです。

今回正式リリースとなった「Skip 1.0」も、そうした単一ソースコードで複数のプラットフォームに対応したアプリケーションの開発を可能にするツールの1つです。

SwiftからKotlinへトランスパイル

Skipの基本的な仕組みは、SwiftのコードをKotlinのコードに変換するトランスパイラです。と同時にSkipはSwift Package Managerで定義されたプロジェクトの内容をAndroid Gradleのプロジェクトへと変換します。

これにより、Kotlinに変換されたコードをAndroid Studioで読み込み、Android Gradleのプロジェクトとしてビルドし、Android向けのネイティブアプリケーションを生成するのです。

この一連のSkipのツールチェーンはXcodeのプラグインとして提供され、「SkipStone」と名称が付いています。

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トランスパイル機能は「Skip Playground」で試すことが出来ます。

それに加えてSkipでは、Swift標準ライブラリ、Foundation、SwiftUIなどのさまざまなライブラリやコンポーネントをAndroid向けのJetpack Composeなどで再実装したパッケージも提供します。

さらにXCTestのユニットテストをJUnitのテストに変換し、同等のテスト実行を可能にするとのことです。

個人や小規模な組織は無料

Skipに含まれているツールチェーンの「SkipStone」はプロプライエタリなソフトウェアとなっており、有償での利用となります。

ただし従業員が1~2名で年間収益が3万ドル未満の組織では無料で、制限なくオープンソースのアプリケーション開発と1つのクローズドソースの開発が可能です。

1人もしくは中小企業で年間収益25万ドル未満の組織は月額29ドルもしくは年額299ドルで制限なくオープンソースのアプリケーション開発と5つのクローズドソースの開発が可能です。

それ以上の組織、もしくは無制限にクローズドソースの開発をする場合には月額99ドルとなっています。詳しくはPricingのページをご参照ください。

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2024年9月、Kotlinへのトランスパイルをせずにそのままビルドする「Native Swift toolchain and driver for Android」が公開されました。

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