Redisをフォークした「Valkey 7.2.5」安定版が早くも登場。AWS、Google、Oracle、Heroku、Alibaba Cloudなど賛同が広がる

2024年4月22日

RedisをフォークしたValkeyが早くも安定版「Valkey 7.2.5」をリリース。Valkeyブランドのためのコードの変更が行われた。AWS主導で始まったが、Google CloudやOracle、Heroku、Alibaba Cloudなど賛同が広がっている。


Linux Foundation傘下のValkeyプロジェクトは、同プロジェクトとして初めての正式版となる「Valkey 7.2.5」のリリースを発表しました

Valkey

Valkey 7.2.5のリリースノートによると、このバージョンはフォーク元であるRedis 7.2.4からブランド名をValkeyへ変更するための変更をソースコードに対して行ったものであり、Redis 7.2.4からプロトコル、API、リターン値、データファイルフォーマットなどの変更は行われていないと説明されています。

ValkeyはRedisをフォークしたプロジェクト

Valkeyは、オープンソースの代表的なインメモリデータストア「Redis」のフォークです。Redisは、先月(2024年3月)、ライセンスをクラウドベンダによる商用サービスを制限するものに変更すると発表しました。

Redisの開発元であるRedis社はライセンス変更に至った理由として、AWSを名指しこそしなかったものの、同社やコミュニティが開発し成功させてきたRedisの売り上げの大半が最大手のクラウドベンダによるものだったと説明していました。

参考:Redis、クラウドベンダなどによる商用サービスを制限するライセンス変更を発表。今後はRedis社とのライセンス契約が必須に

このライセンス変更を受けてAWSが中心となってLinux Foundation傘下でRedisをフォークしたオープンソースのプロジェクト「Valkey」が始まったのです。

AWS、Google、Oracleに加えてHerokuやAlibabaも賛同

Valkeyのプロジェクト開始時点では、AWS、Google Cloud、Oracle、エリクソンSnap Inc.が賛同を表明していました

その後、賛同する企業はさらに増加し、Heroku、Alibaba Cloud、ファーウェイ、ベライゾン、Percona、Aiven、Chainguardが新たに加わっています

すでにAWSはValkeyを同社サービスに採用することを表明しており、賛同を示したGoogle CloudやOracle Cloud、HerokuなどもValkeyをクラウドサービスとして提供すると見られます。

AWSとGoogle Cloudというクラウドの主要ベンダ2社に加えてOracle CloudやHerokuもValkeyを提供するようになると、今後少なくともクラウドで提供されるインメモリストアに関しては、RedisよりもValkeyが主流になる可能性がありそうです。

あわせて読みたい

AWS Google Cloud NoSQL クラウド データベース Heroku Oracle Cloud オープンソース




タグクラウド

クラウド
AWS / Azure / Google Cloud
クラウドネイティブ / サーバレス
クラウドのシェア / クラウドの障害

コンテナ型仮想化

プログラミング言語
JavaScript / Java / .NET
WebAssembly / Web標準
開発ツール / テスト・品質

アジャイル開発 / スクラム / DevOps

データベース / 機械学習・AI
RDB / NoSQL

ネットワーク / セキュリティ
HTTP / QUIC

OS / Windows / Linux / 仮想化
サーバ / ストレージ / ハードウェア

ITエンジニアの給与・年収 / 働き方

殿堂入り / おもしろ / 編集後記

全てのタグを見る

Blogger in Chief

photo of jniino

Junichi Niino(jniino)
IT系の雑誌編集者、オンラインメディア発行人を経て独立。2009年にPublickeyを開始しました。
詳しいプロフィール

Publickeyの新着情報をチェックしませんか?
Twitterで : @Publickey
Facebookで : Publickeyのページ
RSSリーダーで : Feed

最新記事10本