PythonのコードをWebAssemblyにコンパイルする「py2wasm」、Wasmerが発表

2024年4月22日

PythonコードをWebAssemblyにコンパイルする「py2wasm」がWasmer社から発表された。WebAssembly版CPythonよりも約3倍高速だ。PythonコードをCPythonのAPIコールに変換するトランスパイラがベースになっている。


WebAssemblyランタイムの開発と提供を行っているWasmer社は、PythonのコードをWebAssemblyバイナリにコンパイルする「Py2wasm」を発表しました

WebAssembly版CPythonよりも3倍高速に

PytonをWebAssemblyで実行する方法として、Pythonランタイムの標準実装となっているCPythonをWebAssemblyにコンパイルしたWebAssembly版CPythonを用いてPythonコードを実行することが可能です。

しかしWebAssembly版CPythonの実行速度をネイティブバイナリのCPythonと比較すると非常に遅いとされています。

一方、今回Wasmerが発表したpy2wasmでは、PythonコードそのものをWebAssemblyバイナリ化することなどによりインタプリタのオーバーヘッドを省略できるため、WebAssembly版CPython上でPythonコードを実行するよりも約3倍高速だと説明されています。

py2wasmはWebAssembly版CPythonよりも約3倍高速

PythonコードをCPythonのAPIコールにトランスパイル

PythonコードをWebAssemblyバイナリにコンパイルするpy2wasmコンパイラは、Nuitkaをベースに開発されたと説明されています。

NuitkaはPythonコードをCPythonのAPIコールに変換するトランスパイラです。トランスパイル後のコードをCコンパイラを用いてコンパイルすることで、ネイティブバイナリを生成可能です。

py2wasmはこのNuitkaをベースにWASI(WebAssembly Sysmtem Interface)対応のWebAssemblyバイナリを生成するようにカスタマイズされたものです。

Wasmer社では近い将来、py2wasmをWasmerのパッケージとして公開する予定とのことです。

また、同社自身も今後さらにpy2wasmの高速化を実現し、Python Djangoで構築された同社のバックエンドをWebAssemblyベースのWasmer Edgeへ移行したいとの考えを明らかにしています。

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