NVMeに新機能。ストレージがデータ処理を行う「コンピュテーショナルストレージ」、NVM Expressが発表
NVMe関連規格の標準化団体であるNVM Expressは、ストレージ内でデータ処理を行うための業界標準「コンピュテーショナルストレージ」(Computational Storage)機能を発表しました。
「コンピュテーショナルストレージ」はデータ処理を行えるストレージ
コンピュテーショナルストレージとは、その名前が示す通り計算機能を備えたストレージのことです。
基本的にストレージに格納されたデータは、ストレージから取り出されてメインメモリに読み込まれ、それをCPUが処理します。しかし大量のデータを処理する場合、大量のデータをストレージからメモリへと移動させなければなりません。
そこで、ストレージが備えているFPGAやプロセッサを用いてストレージ内でデータ処理が行えるようになれば、データをストレージから移動しなくて済むために高速な処理が期待できます。
そうしたインテリジェントなストレージや、ストレージに処理をオフロードするアーキテクチャのことを「コンピュテーショナルストレージ」と呼びます。
ビッグデータの処理やAIの学習処理など、大量のデータを高速に処理したい場合に、コンピュテーショナルストレージの利点が活きてきます。
コンピュテーショナルストレージをベンダーニュートラルで実現
これまでコンピュテーショナルストレージはストレージベンダなどによって独自に実装されてきました。今回NVM Expressが発表した標準規格は、これをベンダーニュートラルなフレームワークとして実現するものです。
具体的には下記の2つの要素で構成されると説明されています。
- コンピュテーショナルプログラムコマンドセット:ホストドリブンかつモジュラーアプローチを採用した計算プログラムを実現するコマンドセット
- サブシステムローカルメモリコマンドセット:NVMe I/Oコマンドを通じてアクセス可能な計算プログラムと、NVMeトランスポートを介してNVMサブシステム内のメモリにアクセスする機能を提供
この標準規格によって、今後コンピュテーショナルストレージ機能のより幅広いストレージ製品への導入や相互運用性の拡大などが期待されます。
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