NTTドコモ、全国展開する5Gの無線アクセスネットワークをAWSの「Amazon Elastic Kubernetes Service Anywhere」を用いて展開すると発表
NTTドコモとAWSは、NTTドコモが日本全国で商用展開する5Gの無線アクセスネットワーク(Open RAN)を、AWSの Amazon Elastic Kubernetes Service Anywhere(以下、Amazon EKS Anywhere)を用いて展開すると発表しました。
5Gでは、これまで通信キャリアや通信機器ベンダごとに閉じていた基地局などの無線アクセスネットワーク(Radio Access Network)の仕様を、オープンな仕様にすることで、異なるベンダの機器を組み合わせて構築できるできるようにする「Open RAN」(Open Radio Access Network)が急速に進んでいます。
Open RANが進むと同時に、これまで物理的な機器として提供されてきた無線アクセスネットワークを構成するさまざまな機能がソフトウェアとして実装されるようにもなってきました。
こうした技術革新の波と、通信キャリアに対するコスト削減や、多機能かつ速い進化を求めるニーズなどが組み合わさったことで、現在では国内外問わずほぼ全ての通信キャリアが、5Gの無線アクセスネットワークをクラウド上でソフトウェアを用いて構築することに注力しています。
通信キャリアにとってOpen RANのクラウドネイティブ化は議論の段階を確実に過ぎ、実践の段階へと進んでいるのが現実です。
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5Gの無線アクセスネットワーク基盤としてKubernetesを用いる
今回のNTTドコモとAWSがOpen RANをAmazon EKS Anywhere上で展開すると発表した背景には、このようにNTTドコモを含む通信キャリアが商用ネットワークのクラウドネイティブ化を進めていることがあります。
そして「Amazon EKS Anywhere」は、AWSが提供するKubernetesのディストリビューションを用いて、AWSの外にある顧客のデータセンター上でAmazon EKSと同等のサービス、つまりKubernetesによるコンテナオーケストレーション、ノードプロビジョニング、Kubernetes自身のパッチ適応や更新などをマネージドサービスとして提供するものです。
おそらくNTTドコモは基地局などを構成するデータセンターにおいてKubernetesを展開し、その上でOpen RANを用いて無線アクセスネットワークを構築し、そのソフトウェア基盤としてのKubernetesの管理をAmazon EKS Anywhereによるマネージドサービスに任せる、ということになるのではないかと推測されます。
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