MariaDB社が投資会社「K1」に買収されると発表。CEOは交代、製品開発と提供は継続

2024年9月11日

MySQLから派生したリレーショナルデータベースであるMariaDBの開発を主導するMariaDB社が、投資会社「K1 Investment Management, LLC」(以下、K1)に買収され、同社の100%子会社になることを発表しました

MariaDB社はニューヨーク証券取引所の上場企業ですが、買収により上場廃止となります(ちなみにオープンソースの開発コミュニティとしては、MariaDB社とは別にMariaDB Foundationが存在しています)。

同時にCEOの交代も発表されましたが、買収後もMariaDBは開発と製品提供を継続するとしており、MariaDBの新機能としてのベクトル検索機能やKubernetes Operator(プラグイン)などをリリースするとしています。

不調が伝えられていたMariaDB

MariaDBは、MySQLの創始者であるMichael “Monty” Widenius氏が2010年にMySQLをフォークしたMariaDBを開発するための企業として発足しました。

当初はSkySQLという名称でしたが、2014年にMariaDBに変更。MariaDB Enterprise Serverに加えて可用性や性能を向上させた大規模システム向けのMariaDB MaxsSale、OLAP向けのColumnStoreなどの製品を展開し、2022年にはニューヨーク証券取引所に上場しています

また2023年には、MariaDBのマネージドサービスを提供する企業を、かつての社名「SkySQL」としてスピンアウトさせています。

しかしデータベース市場の中心がマネージドサービスへと移る中で、ここ数年の同社は不調が伝えられており、昨年(2023年)10月にオープンソースプロジェクトとしてのMariaDBの最上位スポンサーにAWSがなった際には、MariaDBのマネージドサービスを提供している同社がMariaDBのコミュニティを支えようとしているのではないか、との推測もありました。

参考:AWS、MariaDBの最上位スポンサーになったと発表。なぜMariaDBの大口スポンサーに?

K1は多数の中小規模ソフトウェア企業を買収

一方のK1は、投資企業として多数の中小規模のエンタープライズ向けソフトウェア企業を傘下に持ちます。MariaDBもちょうどこの同社のターゲットに合致していると言えます。

同社は投資した企業を完全子会社にしたうえで単一オフィス、単一チームに集中させるという方法論を用いて経営を改善し、そのうえで売却するという実績を多数持つと説明しています

今回のMariaDB買収においても買収と同時にCEOの交代が発表されており、K1がMariaDBの経営を刷新して業績を改善させた上で、最終的には売却を目指すものと思われます。

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