カスペルスキーがLinux専用の無料アンチウイルスソフト「Kaspersky Virus Removal Tool for Linux」公開
アンチウイルスソフトウェアで知られるカスペルスキーは、Linux専用のアンチウイルスソフトウェア「Kaspersky Virus Removal Tool for Linux」の無料公開を発表しました。
Introducing our Virus Removal Tool for Linux!
— Kaspersky (@kaspersky) May 31, 2024
Our FREE application scans and cleans Linux systems for known cyber threats, ensuring your machines remain secure. #LinuxSecurity #CyberDefense
All you need to know about KVRT for Linux https://t.co/XBRBVIZASn pic.twitter.com/jEs1PQCU3E
カスペルスキーはWindows向けのアンチウイルスソフトベンダーの1つとして知られています。その同社は今回の「Kaspersky Virus Removal Tool for Linux」公開に当たり、最近発生したオープンソースの「XZ Utils」に悪意のあるコードが組み込まれた例を引き合いに出して、Linuxにおいてもウイルスなどのマルウェアによる脅威が存在していることを示しました。
XZ Utilsは長年にわたって開発に貢献して開発チームに入り込んだ人物が、非常に巧妙な形で悪意のあるコードをツールに組み込んだことが分かっています。善意を前提とするオープンソースの開発につけ込んだその手口は、多くの人たちに大きな衝撃をもたらしました。
と同時に、あらゆるソフトウェアにおいて開発過程や組み込まれたライブラリなどに脆弱性がないかを確認する、ソフトウェアにおけるサプライチェーンの安全性への関心も高まっています。
カスペルスキーが「Kaspersky Virus Removal Tool for Linux」を公開した背景には、Linuxにおけるそのような事情があると説明されています。
全スキャンしてマルウェアを検知
一般的なWindows向けアンチウイルスソフトウェアが常駐型なのに対して、Kaspersky Virus Removal Tool for Linuxは、つねに更新されている最新版をダウンロードし、明示的に実行するLinuxアプリケーションとなっています。
通常の権限でも実行可能ですが、システムメモリやブートセクタをはじめとする重要な領域へのアクセス可能なスーパーユーザーの権限を与えることで、これらの領域に対してもスキャン可能になります。
Kaspersky Virus Removal Tool for Linuxを実行すると前述の通りシステムメモリ、スタートアップオブジェクト、ブートセクタ、アーカイブされたものも含め、OS内のあらゆる形式のファイルをスキャンし既知のマルウェアを検出します。
検出後は、Windowsのアンチウイルスソフトウェアと同様に、マルウェアの駆除や削除スキップなどが選択可能になるようです。
対応するLinuxディストリビューションは、CentOS 6.7以降、Red Hat Enterprise Linux 6.7以降、AlmaLinux 8以降、SUSE Linux Enterprise Server 12.5以降、Ubuntu 12.04以降など。詳細はオンラインヘルプに掲載されています。
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