日本ではKubernetesやCI/CDなどが幻滅期に、インダストリクラウドやインフラ自動化は過度な期待。「日本におけるクラウド・プラットフォームのハイプ・サイクル」2024年版発表
調査会社のガートナージャパンは、「日本におけるクラウド・プラットフォームのハイプ・サイクル:2024年」を発表しました。
ハイプサイクルとは
ガートナーのハイプサイクルは、技術の登場から安定までを5つのステージに分けて説明したものです。5つのステージは、「黎明期」から始まり、「『過度な期待』のピーク期」「幻滅期」「啓発期」「生産性の安定期」まで。この途中で消えていく技術もあります。
同社はグローバルだけでなく国別などさまざまな切り口でハイプサイクルを発表しています。今回発表されたのは日本のクラウドプラットフォームにおけるハイプサイクルです。横幅の関係上、図を2つに分割しました。まずは前半部分。
黎明期にはFinOpsやSREなど
いちばん左の「黎明期」には、クラウドへの支出を最適化することを目指して開発や運用を行う「FinOps」や、開発者の体験や生産性を向上させる「プラットフォームエンジニアリング」、Webサイトやサービスの運用や管理において積極的にソフトウェア開発や自動化などを行い改善していく「サイトリライアビリティエンジニアリング」(Site Reliability Engineering:SRE)などが位置しています。
過度な期待のピーク期にはインフラ自動化など
「『過度な期待』のピーク期」には、メインフレームをモダンなシステムで最適化する「メインフレームトランスフォーメーション」、特定の業界に特化したプラットフォームとしてクラウドを提供する「インダストリクラウドプラットフォーム」、「インフラ自動化」などがあります。
続く「幻滅期」には、「コンテナ管理/Kubernetes」「CI/CD」「マルチクラウド」「DevOps」などが並びます。
啓発期にはサーバレス、HCIなど
図の後半も見ていくと、幻滅期を抜けて具体的なメリットが理解され始める「啓発期」へと抜け出しているのが「ハイブリッドクラウド」「DaaS」「サーバレスアーキテクチャ」「ハイパーコンバージドインフラストラクチャ」などです。
そして「クラウドコンピューティング」「クラウドIaaS」の2つは、「生産性の安定期」へと定着しています。
(2024/9/27 2:00 SREの説明を間違えておりました。お詫びして訂正いたします)
あわせて読みたい
国内のパブリッククラウドサービス市場は2028年に7兆円超、2023年の3兆円超から2倍以上に
≪前の記事
WebAssemblyをコンテナイメージとし、コンテナレジストリなどで配布可能にする「Wasm OCI Artifact layout」仕様が登場