JavaScriptランタイム「Bun 1.1」正式リリース。Windows版登場、Node.jsとの互換性向上、前バージョンより高速化など
オープンソースで開発されているJavaScriptランタイム「Bun」の最新版となる「Bun 1.1」正式版がリリースされました。
BunはJavaScriptとTypeScriptのランタイム機能を備えるだけでなく、トランスパイラ、バンドラ、タスクランナー、npm互換のパッケージマネージャなど、JavaScript/TypeScriptのツールチェーンを統合したソフトウェアです。
Bun 1.1ではこれまで提供されていたLinux版、macOS版に加えて、Windows版が追加されたのが最大の特徴です。
Bun 1.1でWindows版が登場
Bun 1.1はPowerShellから下記のコマンドで簡単にインストール可能です。画像左は、Bunの作者であるJarred Sumner氏。
Bunは以前から高速な動作も特徴の1つとして説明しています。下記はWindows上で「bun install」コマンドを用いて大きなJavaScriptのアプリケーション(Vite Reactアプリ)をインストールした際の実行時間を示しており、他のパッケージマネージャよりも高速だとしています。
「Bun Shell」がWindowsを含むクロスプラットフォームに
Bunは今年(2024年)1月に、新機能としてシェルスクリプトをJavaScriptもしくはTypeScriptで記述できる「Bun Shell」を発表してます。
参考:シェルスクリプトをJavaScript/TypeScriptで記述、どのOSでも実行できる「Bun Shell」、JavaScriptランタイムのBunが発表
今回、BunがLinux、macOS、Windowsの主要なOSに対応したことで、このBun Shellがこれら主要な3つのOSのどれでも同じ記述で実行が可能な、クロスプラットフォームなシェルとして実現されることになります。
下記はBun Shellの例です。1行目のimport文で、Bun Shellの実行環境を読み込み、3行目では「await」でコマンドの処理が終わるまで待つことを指定し、「$」でBun Shell の実行を指定して、バッククオート(`)で囲まれた内容、ここでは拡張子としてjsを持つファイルを別のディレクトリにコピーする処理を実行しています。
普段からJavaScriptやTypeScriptを用いているプログラマにとっては、ちょっとした処理のためのシェルスクリプトも、Bashなどの別のシェル言語に頭を切り替えることなくJavaScriptやTypeScriptでそのまま記述できる利点があります。
Node.jsとの互換性も向上、前バージョンより高速化
Node.jsとの互換性も向上し、下記のような主要なフレームワークがBunでそのまま実行可能だとしています。
Bun 1.1は前バージョンのBun 1.0からさらに高速化が実現されたとしています。
esbuild、vite、prettierなどの処理速度が大幅に向上、httpの速度も29%向上していると説明しています。
そのほかWebSocket APIが安定版となるなど、機能追加、速度向上や安定化などがはかられています。詳細は「Bun 1.1 | Bun Blog」をご覧ください。
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