ICANN、プライベートネットワークで使うための公式トップレベルドメイン「.INTERNAL」を提案
インターネット上のIPアドレスやドメイン名などの管理や調整を行っているICANN(Internet Corporation for Assigned Names and Numbers)は、プライベートネットワークやホームネットワークのためのトップレベルドメインとして「.INTERNAL」を予約語として割り当てるという提案を1月24日付で公開しました。
プライベートネットワークには、「192.168.xx.xx」などの専用のIPアドレス空間が公式に割り当てられており、このIPアドレス空間はインターネット上のIPアドレスと衝突しないことが約束されています。
しかし、このIPアドレス空間で管理されているプライベートネットワークのために公式に割り当てられたドメイン名の名前空間は、現時点ではありません。
そのため、プライベートネットワークの運用者がプライベートネットワーク内で何らかのドメイン名を運用したい場合、インターネット上のドメイン名と衝突する可能性がある非公式のドメイン名が使われる可能性がありました。
そこで、プライベートネットワーク内でのみ使われ、既存のインターネット上のドメイン名と衝突する心配のない公式のトップレベルのドメイン名として「.INTERNAL」が提案されることになったのです。
プライベートネットワークにふさわしいドメイン名とは?
下記は、その提案である「Identification of a top-level domain for private use」(PDF)からの引用です。
The ICANN Security and Stability Advisory Committee (SSAC) recommended that ICANN reserve a top-level DNS label for such private-use purposes, and to ensure the label does not conflict with usage in the DNS root zone. Its recommendation, described in SSAC Advisory on Private-Use TLDs (SAC113), proposed four criteria for selecting such a label:
- It is a valid DNS label
- It is not already delegated in the root zone.
- It is not confusingly similar to another TLD in existence
- It is relatively short, memorable and meaningful.
ICANN Security and Stability Advisory Committee(SSAC)は、プライベートネットワークで使われることを目的としたトップレベルDNSラベルを予約し、そのラベルがDNSルートゾーンでの使用と競合しないように確約することをICANNに勧告した。この勧告は、SSAC Advisory on Private-Use TLDs (SAC113)に記載されており、このようなラベルを選択するための4つの基準を提案している:
- 適正なDNSラベルであること
- ルートゾーンですでにデリゲートされているものではないもの
- 既存のほかのTLDと似ていたり紛らわしいものではないもの
- 比較的短く、覚えやすく、意味が伝わりやすいもの
この勧告に従ってICANNはプライベートネットワークのためのトップレベルドメイン名の候補として35種類の名称をレビューし、最終的に最もふさわしいと評価された「.INTERNAL」が提案されることとなりました。
今後の予定
現在この提案は3月21日までパブリックコメントを募集中で、その後4月5日までに結果が報告される予定となっています。
(2024/1/31 10:40追記)プライベートネットワーク用のIPアドレスの表記が間違っており、修正しました。ご指摘いただいた方々、ありがとうございました。
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