Google Cloudが開発したPostgreSQL互換ソフトウェア「AlloyDB Omni」がバージョンアップ、より高性能に
Google Cloudは、同社がPostgreSQL互換の高性能なマネージドデータベースサービスとして提供している「AlloyDB for PostgreSQL」と同じデータベースサーバを、オンプレミスやノートPCなどで実行できるソフトウェア「AlloyDB Omni」のバージョンアップ版となる「AlloyDB Omni version 15.7.0」のリリースを発表しました。
AlloyDB OmniはPostgreSQLとフル互換で、従来のPostgreSQLアプリケーションがそのまま実行可能なだけでなく、レプリケーションやバックアップツールなどもそのまま利用可能です。
その上で、多数のCPUコアをより活用するスケーラビリティを改善し、自動チューニング機能、メモリ最適化エージェント、高速ディスクキャッシュなどにより、標準的なPostgreSQLよりもトランザクション性能で2倍以上の性能を備えるだけでなく、カラム型のインメモリデータベースも統合し、分析的なクエリは100倍以上高速化されていると説明されています。
より大規模な分析的クエリや高速なベクトルインデックスなど
さらに今回の新バージョンでは、分析的なクエリを実行するカラム型のインメモリデータベースに対してローカルストレージデバイスが設定できるようになりました。これにより分析的なクエリの対象となるデータ量を大幅に増加できるようになりました。
またAlloyDB Omniは昨年(2023年)、ベクトルクエリなどを用いてAIアプリケーションをSQL文などによって容易に開発可能にする新機能が搭載されましたが、今回の新バージョンではより高速なベクトルクエリのためのインデックスタイプとしてScaNNインデックスが利用可能になりました。
SCaNNインデックスは、これまでよく使われていたインデックスの1つであるHNSWインデックスと比べて、インデックスの作成時間が大幅に短縮され、使用メモリも3分の1から4分の1になっているため、大規模なデータを用いたベクトルクエリでの開発作業においても待ち時間が少なく高速な処理によって効率的な作業が行えるとされています。
Kubernetes上でAlloyDB Omniの運用管理を自動化する新たなKubernetes Operatorバージョン12.0も登場し、ログローテーション機能やディザスタリカバリ対応による高可用などが実現されています。