Google Cloud、サーバレスの「Cloud Functions」をコンテナサーバレスの「Cloud Run」に統合、「Cloud Run functions」に

2024年8月26日

Google Cloudは、「Cloud Functions」を「Cloud Run」に統合し、「Cloud Run functions」にすることを発表しました

これにより、これまでCloud Functionsでは利用できなかったGPU機能などのCloud Runの機能がCloud Run functionsで利用可能になります。

Cloud FunctionsとCloud Runの違いとは?

Cloud Functionsは、Googl Cloud上でいわゆるサーバレス環境を実現するサービスとして、2016年から提供されてきました

サーバレス環境とは、あらかじめプログラミング言語で記述された関数を登録しておくと、HTTPのリクエスト、ストレージやPub/Subで発生したイベントをきっかけにその関数が実行され、処理を行うというものです。

実行環境はクラウド側が用意し、リクエスト数に応じて自動的にスケールするため、開発者は仮想マシンなどの実行基盤の設定やプロビジョニングなどを気にすることなく利用できることを特徴としています。

Cloud Functionsは当初はNode.jsをベースにしたJavaScript実行環境が提供され、その後Python、Go、Java、.NET、Ruby、PHPなどのプログラミング言語へと対応を広げていきました。

2022年にはCloud Functions 2nd Gen(第二世代)となり、内部的にはこの第二世代からはCloud Runをベースに強化されたことがドキュメントで示されています

一方のCloud Runは2019年に発表されたサービスです。Dockerコンテナとしてプログラム言語のランタイム、フレームワーク、そしてプログラムのコードをパッケージにして登録すると、前述のサーバレス環境と同様にHTTPリクエストやイベントをきっかけにコンテナが実行され、処理が行われます。

Cloud Functionsではプログラミング言語の実行環境やフレームワークはGoogle Cloudによってあらかじめ用意されたものしか利用できませんが、Cloud Runでは開発者が実行環境をコンテナとして自由にパッケージにする点が最大の違いです。

Cloud RunにCloud Functionsを統合

今回の発表は、Cloud FunctionsをCloud Runに統合することで「Cloud Run functions」とするものです。これは名称変更だけではなく、これまでCloud FunctionsにはなくてCloud Runにあった機能がCloud Run functionsでは使えるようになると説明されています。

具体的には以下の機能です。

  • NVIDA GPUによる推論処理
  • アクセスコネクターが不要なDirect VPCによる高速な外部との通信
  • Cloud Storageボリュームへのマウント
  • 関数でのマルチイベントトリガーマネジメント
  • マネージドなプログラミング実行環境の自動セキュリティアップデート
  • トラフィックスプリッティングとリビジョンコントロール
  • サイドカーコンテナによるマネージドなPrometheusとOpenTelemetryのサポート

既存のAPI、gcloudコマンド、Terraformモジュールのサポートは継続され、既存の第二世代のCloud Functionsの関数は、自動的にCloud Run functionsに変換されます。一方、第一世代のCloud Functionsの関数もそのままCloud Run functions(第一世代)として実行可能ですが、Cloud Run functionsのフル機能を利用するには変換が必要とのことです。

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