米FTC、雇用契約における競業禁止条項を禁止すると宣言。退職後の再就職先など自由に
米FTC( Federal Trade Commission:連邦取引委員会)は、4月23日付けで米全土において競業禁止条項を禁止し、これをもって競争を促進し、労働者の基本的な転職の自由を保護し、技術革新を促進し、新規事業形成を促進する「最終規則」を発表しました。
競業禁止条項とは、企業が従業員に対する雇用契約などにおいて、退職後一定の期間は競合他社への転職や独立して元の雇用者と競合する業務を行わない義務を負わせる内容を含む契約条項のことです。
これが禁止されることで、従業員は転職先の選択や独立したビジネスを自由に行えるようになります。
例外として、労働者の0.75%未満に相当する、年収15万1164ドル以上かつ企業において政策を決定する立場にある上級管理職についての既存の競業禁止条項は引き続き有効です。ただし、競業禁止条項を含む新たな雇用契約の締結は禁止されます。
この最終規則は連邦官報に掲載されてから120日後に発効する予定です。発効日以降、競業禁止条項は執行不可能となります。
競業禁止条項の禁止により8500以上の新規事業の創出など
米バイデン政権は、米経済発展のために以前からこの競業禁止条項の禁止に向けた動きを進めていました。
FTCは、競業避止条項を禁止する最終規則により、新規事業が年間2.7%増加し、その結果、毎年8500以上の新規事業が追加的に創出され、今後10年間で最大1940億ドルの医療費削減が見込まれると推定しています。
FTCのリナ・M・カーン委員長は今回の最終規則の発表にあたり「競業避止条項を禁止するFTCの最終規則は、米国人が新しい仕事を追求したり、新しいビジネスを始めたり、新しいアイデアを市場に出したりする自由を保証するものです」とコメントしています。
ちなみに、このFTCの発表に賛同するコメントをマイクロソフトの副会長兼プレジデント ブラッド・スミス氏がポストしています。
.@Microsoft believes that American innovation thrives when people have the freedom to pursue the career path they feel best aligns with their passion and skills. That’s why Microsoft announced in 2022 that it would no longer enforce noncompete clauses for all but its most senior…
— Brad Smith (@BradSmi) April 23, 2024