Electron代替を目指す「Tauri 2.0」リリース候補版が公開。Windows/Mac/Linuxに加えてiOS/Androidアプリ開発も可能に

2024年8月7日

Electronの代替を目指すRust製のアプリケーションフレームワーク「Tauri」の開発チームは、「Tauri 2.0」リリース候補版の公開を発表しました

Tauri 2.0でもOSのWebView採用を継続

Tauriは、HTML/CSS、JavaScriptなどのWeb技術を用いてデスクトップアプリケーションを開発できるフレームワークとして登場しました。

特にRust言語で開発されていること、そしてUI基盤としてOSが備えているWebViewの機能を用いるため、Electron製のアプリケーションで組み込まれるChromiumのようなレンダラの組み込みが不要で軽量なアプリケーションを開発できることを大きな特徴としています。

OSが備えるWebView機能としては、WindowsではWebView2、macOSではWebKit、Linuxではgtk-rsがそれに該当します。これらを抽象化レイヤのwry経由で呼び出すことで、クロスプラットフォームを実現しつつChromiumを不要にしています。

Tauriの開発チームは、ブラウザエンジンの「Servo」をTauriの組み込みWebViewにすべく開発を進めていますが、現時点ではまだこれは開発中のプロジェクトであり、当面はTauri 2.0でも前述の説明通り、OSのWebViewを利用する見通しです。

参考:Rust製ブラウザエンジン「Servo」搭載、新たなWebブラウザ「Verso」の開発プロジェクトが立ち上がる

Tauri 2.0ではデスクトップとモバイルに対応

Tauri 2.0では、Windows/Mac/Linuxに対応したデスクトップアプリケーションだけでなく、iOS/Androidに対応したモバイルアプリケーションの開発も可能になります。

また、Tauri APIの多くがプラグインシステムを利用するようになり、アプリケーション開発者が強力な独自プラグインを作れるようになります。これによりTauriのコードもモジュール化が進み、メンテナンスしやすくなるとのことです。

モバイルアプリケーション開発でのNFC対応やバーコードスキャナ、生体認証、ハプティクス、ジオロケーション機能などがプラグインで提供される見通しだと説明されています。

プラグイン開発者はSwiftやKotlinでコードを書くことができるようになり、プラットフォームとより密接に統合できるようになります。

ただし8月末に予定されているTauri 2.0正式版リリース時点では、デスクトップ向けの機能やプラグインの一部について、モバイルでは利用できない可能性があるとのことで、これらについては正式版リリース後のマイナーバージョンアップにて改善していくと説明されています。

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2024年10月、Tauri 2.0がリリースされました。

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