Denoとして初の長期サポート版「Deno 2.1」正式リリース。WebAssemblyの実行が容易に、「npm init」など新機能

2024年12月2日

JavaScript/TypeScriptランタイムのDenoを開発するDeno Landは、Denoの初めての長期サポート版(LTS版)となる「Deno 2.1」を正式リリースしました

Denoは2024年10月に「Deno 2」がリリースされて以後、1カ月ごとにマイナーバージョンがリリースされる計画となっています。

今回のDeno 2.1は11月にリリースされた最初の長期サポート版となり、リリースから6カ月間のバグフィクスなどが提供されます。そして6カ月後には次のLTS版がリリースされ、そのLTS版に対して6カ月のバグフィクスが提供されることになります。

次のLTS版は2025年4月にリリース予定のDeno 2.6です。

LTS版もこれまで同様にMITライセンスのオープンソースで提供されるため、Denoを一定期間固定したバージョンで利用したいニーズでは、このLTS版を選択するのが適切でしょう。

Deno 2からLTS版が登場

Deno 2.1の主な新機能

Deno 2.1でも主な新機能として以下のような機能が追加されています。

WebAssemblyの実行が容易に

DenoではこれまでもWebAssemblyファイルを読み込んで実行することができていましたが、読み込んで実行するまでの記述がやや複雑でした。

Deno 2.1では下記のように、簡潔に記述し実行できるようになりました。

import { add } from "./add.wasm";

npm initが利用可能に

また、新しいプロジェクトの設定に「npm init」と同様の働きをする「deno init --npm」コマンドが使えるようになりました。

deno comileで任意のファイルを組み込み可能に

deno comileはDeno本体とアプリケーションファイルをまとめて単一の実行ファイルとすることで、簡単にDenoのアプリケーションをデプロイできるようにしてくれるコマンドです。

このdeno compileの新機能として、任意のローカルファイルも組み込むことができるようになりました。これによりアプリケーションから読み込むデータなども単一の実行ファイルの中に組み込めるようになりました。

また、deno compileはV8エンジンのコードキャッシュ機能を利用するようになったことで、より高速なアプリケーションの起動を実現できると説明されています。

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Junichi Niino(jniino)
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