Cloudflare、世界中からのデータベースアクセスを高速化する「Hyperdrive」正式サービスに。CDNを用いてDBのコネクションプーリングやキャッシュを提供
Cloudflareは、グローバルなCDNレイヤでデータベースのコネクションプーリングとクエリのキャッシュを提供することによりデータベースへのアクセスを高速化する新サービス「Hyperdrive」の正式サービス化を発表しました。
We kick off the week with announcements that help developers build stateful applications on top of Cloudflare, including making D1, our SQL database and Hyperdrive, our database accelerating service, generally available. https://t.co/Skdq9cVvwZ #DeveloperWeek
— Cloudflare (@Cloudflare) April 1, 2024
コネクションプーリングやクエリのキャッシュをCDNで提供
アプリケーションからデータベースにアクセスする際に、アクセスを高速化するテクニックとしてよく用いられるのが「コネクションプーリング」と「クエリのキャッシュ」です。
コネクションプーリングとは、一度接続したアプリケーションとデータベース間の接続を使い回す処理のことを指します。これにより、比較的時間のかかる接続を初期化する処理や、接続に合わせてデータベースのインスタンスを起動する処理などを省略できることが高速化につながります。
クエリのキャッシュは、頻繁に行われるクエリの結果をあらかじめキャッシュしておくことで、実際にクエリの処理を走らせることなく高速に結果をアプリケーションに返すことが可能になります。
通常はこうしたコネクションプーリングやキャッシュの機能を提供するミドルウェアを、アプリケーションとデータベースの間に置くことによってこれらの高速化を実現します。
今回、Cloudflareが正式サービス化したHyperdriveは、このコネクションプーリングやクエリのキャッシュを同社が持つグローバルなCDNネットワークで提供するというものです。
これにより、同社のCDNエッジで提供されるJavaScriptランタイムのCloudflare Workers上で実行されるアプリケーションが、AWSなどのデータベースにアクセスする場合、コネクションプーリングやクエリキャッシュの働きによって世界中どこからのアクセスであっても高速なデータベースアクセスを可能にします。
現時点でHyperdriveは主要なORM(Object-Relational Mapper)およびPostgreSQL、PostgreSQL互換のデータベースに対応しており、数カ月以内にMySQLにも対応予定です。また、 Cloudflare TunnelやMagic WANなどを用いたプライベートネットワークにも対応予定とされています。
データベース接続を強化したCloudflare
Cloudflareは今回、自社のデータベースサービスとしてSQLiteを用いた「Cloudflare D1」を正式サービス化し、同時に同社以外のデータベースやオンプレミスのデータベースとの接続を高速化するこの「Hyperdrive」を同時に正式サービス化しました。
これにより同社のサーバレス基盤である「Cloudflare Workers」上で実行されるアプリケーションからのデータベースへの接続機能が一気に充実したことになります。同社はCDN上で分散したアプリケーション基盤の構築に真剣に取り組んでいることが示されていると言えるでしょう。
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