サポート切れのCentOS 6/7から最新Linux OSへの自動アップグレードツール「ELevate」がアップデート。ハードウェア互換性チェック、サードパーティリポジトリ対応など
AlmaLinuxを開発提供しているAlmaLinux OS Foundationは、すでにサポートが終了しているCentOS Linux 6/7からAlmaLinuxやRocky Linuxなど、いわゆるRed Hat Enterprise Linuxのクローンや派生Linux OSへ、OSを再インストールすることなく自動的にインプレースアップグレードしてくれるツール「ELevate」のアップデートを発表しました。
ELevate has received the biggest update since 2021 when we first announced the project!
— AlmaLinux (@AlmaLinux) August 12, 2024
See what's new, including upgrades for leapp and leapp-repository, automatic hardware support detection, and more: https://t.co/rtwHpRjCXG #Linux #OpenSource
ELevateは、OSを再インストールすることなく最新版にアップグレードしてくれるツール「Leapp」「Leapp-data」を中心としたツールです。
上図のように、すでにサポートが終了しているCentOS Linux 6/7およびScientific Linux 7から、AlmaLinux、CentOS Stream、EuroLinux、Oracle Linux、Rocky Linuxのバージョン8へ、そして同一ディストリビューション間でのバージョン9へ(Oracle Linuxを除く)、手作業でOSを再インストールすることなく自動的にアップグレードしてくれます。
具体的には、現在のCentOSもしくはScientific Linux環境にELevateのツールをインストールして実行すると、OSへのアップグレード作業をツールが自動的に行ってくれます。
ハードウェアの互換性チェック、サードパーティリポジトリの対応
今回のELevateのアップデートでは、中心的なツールであるleappと関連ファイルが最新版となりました。
また、OSのアップグレード前にハードウェアの互換性を自動的に検出し、ユーザーに警告する機能が新たに追加されました。これまではアップグレード先のOSが、実行中のハードウェアをサポートしているかどうかの事前確認をユーザー自身が行う必要がありましたが、その作業が自動化されたわけです。
ELevateの開発元であるAlmaLinux OS Foundationは、AlmaLinux 8.10と9.4ではRed Hat Enterprise Linuxでは対応していない150種類以上のストレージやネットワークデイバイスが利用可能になっているため、ハードウェア互換の自動チェック機能は重要になっていると説明しています。
そしてOSのデフォルトではないサードパーティ製リポジトリを用いた環境でのアップグレードにも対応しました。具体的にはEPEL、PostgreSQL、Nginx、MariaDB、KernelCare、Imunifyに対応しました。
これまではOSのデフォルトではないリポジトリを用いた環境でELevateを用いたOSのアップグレードを行った場合、パッケージが更新されなかったりアップグレード中に削除されてしまったりする問題がありました。今回のELevateのアップデートで上記の主要なリポジトリに対応したことで、この問題に対処できるようになりました。今後も要望に応じて対応リポジトリを増やしていくとのことです。
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