Canonicalが「Everything LTS」発表。あらゆるオープンソースを用いたDockerイメージに12年間の長期サポートを提供

2024年7月3日

Canonicalは、たとえUbuntuのディストリビューションに含まれていないオープンソースであっても、あらゆるオープンソースを用いたDockerイメージに12年間セキュリティパッチなどを提供する長期サポート「Everything LTS」を発表しました

重要な脆弱性に対しては24時間以内にセキュリティパッチを提供するとしています。

Ubuntuとディストロレスの両方に対応

Canonical CEOのMark Shuttleworth氏は、このEverything LTSを次のように説明しています。

Everything LTS means CVE maintenance for your entire open source dependency tree, including open source that is not already packaged as a deb in Ubuntu.

Everything LTSは、Ubuntuのdebとしてパッケージ化されていないオープンソースを含む、オープンソースの依存ツリー全体に対してCVEのメンテナンスを提供することを意味します。

このDockerイメージは、UbuntuもしくはDistroless(ディストロレス)と呼ばれる最小限のOS機能のいずれかを選択可能。

顧客はCanonicalに、オープンソースのアプリケーションを含むDockerイメージやプロプライエタリなアプリケーションの実行基盤のためにベースイメージなどの作成を依頼します。

これにより作成されたDockerイメージに対して、Canonicalが12年もしくはそれ以上の長期サポートを提供します。

また、このDockerイメージはUbuntu、Red Hat Enterprise Linux、VMwareなどを始めとする主要なソフトウェアベンダやクラウドプロバイダのKubernetes上での動作が保証されています。

積極的にオープンソース全体のLTSを展開するCanonical

Canonicalは2022年に、Linux OSのUbuntuに対して10年間のメンテナンスサポートを提供する「Ubuntu Pro」を発表しています。

このUbuntu Proは、サーバ向けとデスクトップ向けを含むすべてのUbuntuのディストリビューションに対応するのに加えて、Apache Tomcat, Apache Zookeeper, Docker, Drupal, Nagios, Node.js, phpMyAdmin, Puppet, WordPressなどの主要なLinuxアプリケーションもメンテナンスの対象として含まれています。

参考:Ubuntuが10年間のメンテナンスを約束「Ubuntu Pro」を発表。個人には5台まで無料提供

今回発表された「Everything LTS」は、このUbuntu Proの発展版と見なすことができます。そしてUbuntuの枠を超えてさまざまなオープンソースを対象にした長期サポートの提供を、Canonicalが独自の戦略として発展させようとしていることも今回明確になったと言えそうです。

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Junichi Niino(jniino)
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