AWSが主導する「OpenSearch」、Linux Software Foundation傘下の「OpenSearch Software Foundation」発足
Linux Foundationは、オープンソースとして開発されているOpenSearchを推進する団体「OpenSearch Software Foundation」の発足を発表しました。
The #OpenSearch Project is now part of the newly formed OpenSearch Software Foundation, a community-driven initiative under @linuxfoundation. This marks a major milestone & we couldn't be more excited to share our thoughts with the #opensource community. https://t.co/HkqD7kVirp pic.twitter.com/jIyQVDBoQu
— OpenSearchProj (@OpenSearchProj) September 16, 2024
OpenSearch Software Foundationの最上位メンバーとなるプレミアメンバーには、AWS、SAP、Uberの3社。ゼネラルメンバーにはアトラシアン、カノニカル、NetAppなど9社が名前を連ねています。
AWSがElasticsearchをフォークして開始
OpenSearchはもともと、オープンソースで開発されてる検索エンジン「Elasticsearch」をAWSが2021年にフォークして開発が始まったソフトウェアです。
参考:AWS、ElasticsearchとKibanaのフォークによる「OpenSearch」プロジェクトを発表。Elasticとの溝は埋まらないまま
AWSはそれまで、これは同じく2021年1月にオランダに本社を置くElasticがオープンソースで開発しているElasticsearchを用いてマネージドサービス「Amazon Elasticsearch Serviceを提供してきました。
しかしElastic社は、AWSが同社の商標を使ってサービスを提供していることなどに反発して2021年1月に同社を名指しで非難した上で、Elasticsearchのライセンスを変更します。
参考:AWSをElasticが名指しで非難。ElasticsearchとKibanaのライセンスを、AWSが勝手にマネージドサービスで提供できないように変更へ
これによりAWSは以後のバージョンのElasticsearchをマネージドサービスで利用できなくなり、その結果独自にフォークしたOpenSearchの開発に踏み切ったのです。
その後、両社は事実上の和解に達し、Elasticは今年(2024年)8月にElasticsearchのライセンスにAGPLを追加してオープンソースライセンスに復帰したことを発表しました。
参考:ElasticsearchとKibanaがオープンソースライセンスに復帰、Elasticが発表。AWSがフォークに投資し、市場の混乱は解決されたと
競合ベンダもOpenSearchを採用しやすくなる
OpenSearchはAWSが既存のオープンソースをフォークして開発を始めた代表例の1つですが、AWSは今年(2024年)にオープンソースのインメモリデータベースとして知られるRedisもフォークし、Linux Foundation傘下でオープンソース「Valkey」の開発も開始しています。
ValkeyはすでにGoogle、Aracle、Heroku、Alibabaなど多くの賛同を得ており、クラウドサービスへの採用が進もうとしており、非常に勢いにあるプロジェクトになりつつあります。
参考:Redisをフォークした「Valkey 7.2.5」安定版が早くも登場。AWS、Google、Oracle、Heroku、Alibaba Cloudなど賛同が広がる
OpenSearchも当初はAWSが自身のマネージドサービスを継続するために開始したプロジェクトとの見方もありましたが、今回Linux Foundation傘下のプロジェクトとなったことでAWS以外のクラウドベンダなどが協力したり採用しやすくなると思われます。
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