AWS、他社クラウドなどへの移行時にはデータ転送料金を無料にすると発表
AWSはこれまで、外部へのデータ転送料金の高さを競合ベンダから何度か非難されてきました。AWSにデータを蓄積すればするほど他社クラウドへ移行する際のデータ転送料金が高額になるため、顧客のデータを人質にしていると指摘されていました。
そのAWSが今日、他社のクラウドへ移行する際にはインターネットへのデータ転送料金を無料にすると発表しました。
ブログ「Free data transfer out to internet when moving out of AWS」(AWSから移行する際にはインターネットへの転送料金を無料にします)では、AWSは幅広いサービスを提供しており顧客はそれらを自由に選べるが、その選択肢には他社のサービスも含まれるべきだとして、次のようにデータ転送量の無料化を発表しました。
That’s why, starting today, we’re waiving data transfer out to the internet (DTO) charges when you want to move outside of AWS.
だからこそ本日より、AWSから外部へ移行する際のインターネットへのデータ転送(DTO)料金を無料とさせていただきます。
同社は2021年11月に、AWSリージョンからインターネットへ毎月100GBの無料転送枠を設けており、90%以上の顧客はこの範囲内に収まっていると説明しつつ、もしも他社クラウドやオンプレミスなどへの移行時にこれ以上のデータ転送量が発生する場合にはAWSサポートへ連絡していただきたいとしています。
We will review requests at the AWS account level. Once approved, we will provide credits for the data being migrated. We don’t require you to close your account or change your relationship with AWS in any way. You’re welcome to come back at any time. We will, of course, apply additional scrutiny if the same AWS account applies multiple times for free DTO.
私たちはAWSアカウントレベルでリクエストを審査いたします。承認されればデータ移行のためのクレジットを提供します。アカウントのクローズやAWSとの関係の変更を求めることはありません。いつでもお戻りください。もちろん、同じAWSアカウントが無料DTOを複数回申請された場合には、再び精査させていただきます。
クラウド移行時のデータ転送量の無料化は今年(2024年)1月にGoogle Cloudが発表しています。
参考:Google Cloud、解約時のデータの外部転送料金を無料にすると発表。安心してクラウドを切り替えられるとアピール
最大手のAWSがこれに続いたことで、移行時のデータ転送量を無料にする流れは他社にも波及すると思われます。
2024年3月9日追記
Microsoft Azureも他社への移行時にはデータ転送料を無料にすると発表しました。
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