大規模言語モデルなどを抽象化し、生成AIアプリの開発を容易にする「LangChain」が初の安定版に到達
大規模言語モデル(LLM)やチャットモデルなどを活用したアプリケーション開発のためのフレームワーク「LangChain」が、初めての安定版となる「LangChain v0.1.0」に到達したことが発表されました。
LangChain v0.1.0
— LangChain (@LangChainAI) January 8, 2024
After a year of development, we've released LangChain v0.1.0
Read the full blog here: https://t.co/DDh7xZfO3p
After talking with the users and developers, we released this stable version and focused the library on a few core areas:
Observability:… pic.twitter.com/IbdEXtcOHk
LangChainはLLMを活用するアプリケーション開発のためのオープンソースによる代表的なフレームワークの1つです。
これが安定版に到達したことで、一定期間の後方互換性が維持され本番環境のアプリケーションでも使える環境が整ったことは、生成AIアプリケーションの開発者にとって大きなニュースだと言えるでしょう。
LLMを用いた開発を容易にしてくれるLangChainの機能
LangChainは、OpenAIのGPT-3やGPT-4、GoogleのBERTなどを始めとするLLMやチャットモデルなどを活用したアプリケーションの開発において、LLMを抽象化することなどによるさまざまなLLMのインターフェイスの統一化、切り替えや組み合わせ、外部データとの連係や拡張などを容易に実装できる機能を提供してくれるフレームワークです。
LLMでは正確に答えられない部分に関して自動的に外部データと連係する処理や、過去の回答履歴を保持して再利用する機能の実装なども容易にしてくれます。
また、与えられたプロンプトを最適化したうえでLLMに与える機能や、一度の処理では扱えないような大きなデータをLLMに渡す場合に、データを分割してそれぞれにプロンプトを与えるといった、処理の分割と連係を行う機能も備えています。
次の安定版までAPIの互換性は維持される予定
LangChainは急速に進化するLLM関連のソフトウェアとして、これまで大きな変更なども行われてきました。
しかし今回のバージョン0.1.0が安定版となったことで、LangChainの開発チームは、今後何らかの大きな変更がある場合にはそのことを明確にし、開発者が安心してアップデートを行えるようにすること。そして、古いコードを公式に非推奨や削除する手段を用意することで、LangChainの肥大化を抑えることなどを約束しています。
バージョン番号は、パブリックなAPIを変更した場合はバージョン番号の2番目の数字(現在は「1」)が変更され、パッチなどによるバグフィクスは1桁目の数字が変更されることになります。
そして今後バージョン0.2.0が登場したとしても、0.1.0のバグフィクスなどは継続すると説明されています。
下記はLangChainの開発元が公開している、v0.1.0に対応した解説動画およびPythonとJavaScriptによるハンズオンなどへのリンクです。
LangChain v0.1.0 YouTube Series
— LangChain (@LangChainAI) January 9, 2024
We released a series of videos walking through the seven main components of our new v0.1.0 release
We also added notebooks (in both Python and JS) for a hands-on coding experience for all of them
YouTube playlist: https://t.co/NWL6LDaeWy… pic.twitter.com/2xQp0ebhWi
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