ガートナージャパンが「日本における未来志向型インフラ・テクノロジのハイプ・サイクル:2024年」発表。Web3やNFTは幻滅期、生成AIは過度な期待、汎用AIは黎明期
調査会社のガートナージャパンは、「日本における未来志向型インフラ・テクノロジのハイプ・サイクル:2024年」を発表しました。
ハイプサイクルとは
ガートナーのハイプサイクルは、技術の登場から安定までを5つのステージに分けて説明したものです。5つのステージは、「黎明期」から始まり、「『過度な期待』のピーク期」「幻滅期」「啓発期」「生産性の安定期」まで。この途中で消えていく技術もあります。
米調査会社のガートナーはグローバルな視点で毎年「先進テクノロジのハイプ・サイクル」を発表していますが(今年もおそらく間もなく発表されると思われる)、今回発表されたのは日本において、未来志向型と捉えられるテクノロジやトレンドとなっている40のキーワードを取り上げています。
下記がガートナージャパンが発表した「日本における未来指向型インフラ・テクノロジのハイプ・サイクル:2024年」の図です。
量子機械学習や月データセンタは黎明期
上図の左からいくつか注目したいテクノロジを見ていくと、黎明期の端緒にあるのは「商用核融合炉」「量子機械学習」や「月データセンタ」、さらに「自律分散型組織」などへ進んでいきます。
RAGや生成AI、デジタルツインなどは過度な期待のピーク
頂点に近い「『過度な期待』なピーク期」には、「検索拡張生成(RAG)」「生成AI」「デジタルツイン」など。
ガートナージャパンの亦賀忠明氏はRAGについて「多くの企業やエンジニアがRAGにチャレンジしています。一方で、RAGの精度向上に苦心しているという声が多くの企業から寄せられており、この状況が続くと生成AI全体の期待度の低下につながる可能性があります」とコメントしています。
Web3やメタバースは幻滅期
そこから「幻滅期」へ下っていくと「Web3」「NFT」「メタバース」「量子コンピューティング」などが並んでいます。
幻滅期を乗り越えて啓発期へ進んだのは「モノのインターネット」「ブロックチェーン」などがあります。
同社の鈴木雅喜氏はハイプサイクルで取り上げたテクノロジについて「特にハイプ・サイクルの頂点の近くにあるものについては、期待値と現実のギャップが大きい点に十分に注意する必要があります。テクノロジが未成熟な段階でリスクを取って投資をし、先行者利益を享受することをまずは考慮すべきですが、リスクを回避し、早期に導入した他社の状況を見つつ、テクノロジの成熟が進んでから採用することも得策となり得ます」とコメントしています。
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