Rspackチームはwebpackの性能向上にも取り組み、将来はwebpackの中にRspackを組み込んでいく試みも表明
本日公開した記事「Rust製の高速なwebpack互換バンドラ「Rspack」登場。現時点で5倍から10倍の性能向上」でwebpack互換のバンドラ「Rspack」を紹介しました。
この記事の中で大事なポイントを紹介していなかったので、補足させてください。
Rspackは、Rustで書かれているおかげで高速に起動し、インクリメンタルコンパイルとHot Module Replacement(HMR)など、大規模なプロジェクトでも高速なビルドを可能にする機能なども搭載しており、すでに開発元であるByteDance社内では実際に使われ始め、5倍から10倍の性能向上を実現していると説明されています。
Rspackはまだバージョン0.1.0であり今後もさらに機能追加と性能向上が行われていく予定ですが、今後、Rspackチームはwebpackの性能改善にも取り組み、将来ある程度Rspackが成熟してきた時点で、webpackにRspackを統合する試みがあると「Announcing Rspack - Rspack」で次のように説明されています。
We have also established a partnership with the webpack team. Rspack is an attempt to optimize webpack performance using Rust, and in the future, we will explore more possibilities for optimizing webpack together with the webpack team. When Rspack reaches a certain level of maturity, webpack will attempt to integrate Rspack into webpack with experiments flag.
私たちはwebpackチームともパートナーシップを開始しました。RspackはRustを使ってwebpackのパフォーマンスを最適化する試みですが、今後はwebpackチームと一緒にwebpackの最適化の可能性も探っていきます。Rspackが一定の成熟度に達したとき、webpackは試験的フラグによって、webpackの中にRspackを統合することを試みる予定です。
同じことがFAQのページにも記述されています。
webpackは主要な開発者がNext.jsに入社し、webpackの後継となる「Turbopack」の開発をしているため、現時点では今後大きな改善が期待できないと見られています。
参考:Webpackの後継となる新バンドルツール「Turbopack」が登場。Rust製のネイティブアプリケーションでWebpackの700倍高速に。Next.js Conf 2022
そうしたなかでRspackはwebpackチームと連携したうえで、新たなwebpack後継候補に名乗り出ている、という状況のようです。
Rspack正式版が登場
2024年8月、Rspack 1.0がリリースされました。
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