RHEL互換ディストリビューション、SUSEも参入へ。制限なく誰でも利用できるRHEL互換OSを開発していくと
エンタープライズ向けのLinuxディストリビューション「SUSE Linux Enterprise Server」などを提供するSUSEは、Red Hat Enterprise Linux(RHEL)をフォークし、制限なく誰でも利用できるRHEL互換ディストリビューションを開発し保守していくと発表しました。
同社はこのプロジェクトに今後数年で1000万ドル(1ドル140円換算で14億円)以上を投資し、プロジェクトをオープンソース財団に寄贈すると次のように説明しています。
SUSEは、オープンソースコミュニティと協力して、RHELとCentOSのユーザーのための長期的かつ永続的な互換性のある代替製品の開発に取り組んでいます。SUSEは、このプロジェクトをオープンソース財団に寄贈し、代替ソースコードへの継続的な無償アクセスを提供する予定です。
Red Hatは先月(2023年6月)、RHELクローンOSベンダを排除する方向性を打ち出し、RHELのソースコードへのアクセスを有料のサブスクリプション契約を持つユーザーに限定することで、ソースコードの一般公開を事実上終了しました。
そうした中で、SUSEのCEOであるDirk-Peter van Leeuwen氏は今回のRHEL互換ディストリビューション開発への取り組みの意義を、「何十年もの間、コラボレーションと成功の共有がオープンソースコミュニティの構成要素でした。私たちには、これらの価値を守る責任があります。この投資は、今後何年にもわたってイノベーションの流れを維持し、顧客もコミュニティもベンダーロックインに陥ることなく、今日だけでなく明日も真の選択肢を得られるようにするものです」と説明しています。
SUSEは昨年(2022年)に、RHELやCentOSに対応するサポートプログラム「SUSE Liberty Linux」の提供を発表しており、管理ツール、テクニカルサポート、パッチなどを提供しています。
参考:SUSEがRed Hat Enterprise LinuxとCentOSにもテクニカルサポートやパッチを提供。「SUSE Liberty Linux」プログラムを発表
そのため、すでにRHELに関する技術的蓄積は同社の中で行われてきていることは間違いなく、それが今回のRHEL互換Linuxディストリビューション開発への取り組みにつながったのだと見られます。
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