PostgreSQL互換の「Google Cloud AlloyDB」が大阪リージョンで提供開始。東京リージョンとのレプリケーションで高耐障害運用が可能に
Google Cloudは、PostgreSQL互換のマネージドサービス「AlloyDB」が大阪リージョンで提供を開始したことを発表しました。
AlloyDBはAmazon Aurora対抗と位置づけられる高性能なデータベースサービスで、すでに東京リージョンでは提供されています。大阪リージョンでの提供開始により、日本国内でクロスリージョンレプリケーション(現在プレビュー版の機能)を行うことにより、耐障害性を高めた運用が可能になります。
AlloyDB for PostgreSQL が、新たに大阪を含む、世界中 16 のリージョンで利用可能になりました。#AlloyDB は標準的な PostgreSQL と比較して、トランザクション処理で 4 倍以上、分析クエリで最大 100 倍の高速化を実現。#データベース 資産をモダナイズできます。https://t.co/dAYINWwV7u #gcpja
— Google Cloud Japan (@googlecloud_jp) February 28, 2023
AlloyDB for PostgreSQLは昨年(2022年)5月のGoogle I/O 2022で発表され、12月に正式サービスとなったデータベースサービスです。
参考:Google Cloud、エンタープライズ向け高性能DB「AlloyDB for PostgreSQL」正式サービスとして提供開始、Amazon Aurora対抗の位置づけ
Google Cloudは以前からPostgreSQLのマネージドサービス「Cloud SQL for PostgreSQL」を提供しています。「AlloyDB for PostgreSQL」もPostgreSQL互換のデータベースサービスですが、Googleのクラウドインフラや機械学習の技術を積極的に投入しており、「Cloud SQL for PostgreSQL」と比較してより高性能かつミッションクリティカル向けのデータベースサービスと位置付けられています。
AWSのサービスと比較するならば、一般用途向けのデータベースサービスである「Amazon RDS」に対応するのがGoogle Cloudの「Cloud SQL」であり、データベースをクラウドネイティブなアーキテクチャとして再構築することで高性能かつ高可用を実現した「Amazon Aurora」に対応するのが「AlloyDB」だと言えるでしょう。
Google Cloudによると、AlloyDB for PostgreSQLは標準的なPostgreSQLと比較してトランザクション処理で4倍以上、分析クエリで最大100倍の高速化が実現できているとのこと。
メンテナンスも含めて99.99%の可用性SLA が設定されており、データベースのサイズや負荷状況に関わらず、ほとんどのデータベース障害を60秒以内に自動的に検出し、回復する機能を備えています。
さらに、ストレージの自動プロビジョニング、アダプティブオートバキュームなどの運用自動化機能によって、データベースの管理が容易になるとしています。
前述のように、AlloyDB for PostgreSQLでは現在プレビュー版の機能として異なるリージョン間でレプリケーションを可能にするクロスリージョンレプリケーションを提供しています。
この機能を用いて東京リージョンと大阪リージョンのAlloyDB for PostgreSQLでデータベースのレプリケーションを行うことにより、万が一事故や災害などでいずれかのリージョンのデータベースが運用不能になったとしても、データベース全体を失うことなく運用を継続できます。
また通常時においては、よりユーザーに近い場所にあるリージョンのデータベースへアクセスすることで、低レイテンシーでのサービス提供が可能になります。
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