アトラシアンが製品群にAIを搭載。社内文書や共有情報を学習し、自然言語で社内の情報やプロジェクト進捗などを質問できる「Atlassian Intelligence」発表
豪アトラシアンは4月18日から20日(現地時間)まで米ラスベガスで開催中のイベント「Atlassian Team '23」で、同社サービス群にOpenAI社のAIを搭載した「Atlassian Intelligence」を発表しました(日本語での発表)。
Atlassian Intelligenceは同社がクラウドで提供しているさまざまなサービスで利用可能になります。
議事録から決議事項やアクションを自動生成
情報共有ツールのConfluenceでは、ミーティングの文字起こしから決議事項とアクションを自動的に箇条書きにしてくれます。
プロジェクト管理ツールのJira Softwareでは、テスト計画の策定が可能。
バーチャルエージェントが対応
サービスデスク機能を提供するJira Service managementでは、新しくチームに加入した社員に対して、バーチャルエージェントがナレッジベースから得た知識などに基づいて自然言語で対応してくれます。
下記では新しくチームに参加したメンバーからの依頼で、バーチャルエージェントのCharlie(チャーリー)がFigmaの環境設定を実行してくれます。
サービスデスクのバーチャルエージェントは24時間365日対応してくれるため、サービスデスクにとっては省力化が、従業員にとってはサービスレベルの向上が期待できます。
社内やチーム特有の用語も説明してくれる
Atlassian Inteligenceは社内用語や社内やチーム特有の略語なども理解しています。そのため、中途入社の社員やチームに途中から合流したスタッフがConfluenceなどで共有されているドキュメントを読んでいる途中で知らない単語や用語が出てきたとしても、AIに自然言語で質問すれば説明してもらえます。
社内手続きなども把握しているため、「開発環境のセットアップはどうするの?」といった質問にも回答可能だと説明されています。
自然言語でプロジェクト進捗について質問
自然言語でプロジェクトの進捗を尋ねることも可能です。Atlassian Inteligenceは自然言語の内容を理解し、Jiraのクエリ言語に変換してくれるため、Jira Cloud製品を横断した検索が可能。
下記は「Which mobile features blocking next week's launch are unassigned or missing Figma designs?」(来週の発売を妨げている、Figmaのデザインが割り当てられていない、または欠けているモバイル機能はどれ?)とJira Softwareに尋ねたところ。
クエリが生成され、アサイン状況や優先度を示すタスクの一覧が表示されました。
Atlassian Intelligenceは現在、早期アクセス版となっており、利用には待機リストへの登録が必要となっています。
Meet your new virtual teammate. Powered by AI, Atlassian Intelligence is here to unleash the potential of every team.
— Atlassian (@Atlassian) April 19, 2023
Get early access: https://t.co/jDjw9skKHL pic.twitter.com/c38TmyAsKs
あわせて読みたい
複雑なシステムでは、すべての要素が正しくても障害が起きる。カオスエンジニアリングから継続的検証へ(前編)。JaSST'23 Tokyo基調講演
≪前の記事
スタンドアロンのWebAssemblyランタイム「Wasmer」がRISC-Vに対応。Wasmer 3.2正式リリース