MozillaがAIでWebサイトを自動制作してくれる「Solo」を公開。基本的な情報を基に、説明文からレイアウト、適切なフリー画像の選択までおまかせ
Mozillaは、基本的な情報を入力するとAIが自動的にWebサイトのデザインを作成し、Webサイトの公開まで可能なサービス「Solo」を公開しました。
Soloは基本的に個人事業主が自分のビジネスのためのWebサイトを構築することを想定してWebサイトを作ってくれます。その理由をMozillaは次のように説明しています。
In 2023, website creation is still hard. While choosing a template is straightforward, sourcing images, writing content, and making a visually appealing site are really time-consuming. Add the requirements for showcasing reviews, scheduling, and providing a customer contact form, and the process becomes even harder and a lot more expensive.
2023年の時点でもWeサイトの制作はまだ簡単ではありません。テンプレートを選ぶのは簡単ですが、適切な画像を選択して入手し、コンテンツを書き、視覚に訴えるサイトを作るのは本当に時間がかかる作業です。その上、自身のビジネスのレビューを紹介し、スケジュールを公開し、顧客からの問い合わせフォームを設置するなどの要件が加わるとさらに難しさと費用が跳ね上がります。
こうした課題を解決するのがSoloだというわけです。
基本的な情報を入力するだけで制作開始
実際にSoloでWebサイトを制作してみましょう。
Webサイトにある「Build Your Website」ボタンをクリックすると下記の画面が表示され、誰でも登録なしにWebサイトの制作を始められます。
試しに、私が代表を務めている日本デジタルライターズ協会のWebサイトを作ってみることにしました。入力は日本語にして、日本語対応しているかどうかも調べることにしましょう。
まず、自身のプロフィールが書いてあるFacebookやビジネスを紹介しているYelpのURLを入力します。ここではすでに存在している日本デジタルライターズ協会のWebページのURLを入力しました。
続いて自身のビジネスの説明を入力。Webサイトのタイトルになるビジネスネームは「日本デジタルライターズ協会」と入力。
「Next→」をクリックして、フォントを適当に選択。
続いてテーマカラーも適当に選択。
Webサイトに表示する項目の選択。これはデフォルトのままにしておきます。
入力する項目はこれだけです。「Compose your site→」ボタンを押すと、AIによる制作が始まります。URLから情報を読み込んでWebサイトに掲出する文書を作り、画像を選択して、Webサイトのレイアウトを作成しています。
ちなみに画像はフリー利用が可能なフォトストックサービスのUnsplashから選択されるとのことです。
出来上がったWebサイト。タイトルは入力した日本語のままですが、それ以外は英語になっていますね。とはいえキャッチコピーに「Connecting IT Writers、Sharing Knowledge」とあり、ちゃんとITライターの互助会的な組織であることが理解できているようです。つまり、日本語での入力内容やURLで指定したWebサイトの内容は読み取れていると言うことでしょう。
使用されている画像も、それなりに内容に沿ったものになっているようです。
もちろん、この画面から内容をカスタマイズできます。
さらに、右上に「Publish」ボタンがあり、これをクリックすると「https://soloist.ai/」に続く文字列を設定し、そのURLでこのWebサイトを公開することまでできます。
今回制作したWebサイトは「https://soloist.ai/digitalwriters」で公開してみたので、興味のある方は実際に参照してみてください(ダミーサイトなので、ここから問い合わせなどはしないでください)。
MozillaはこのSoloで、例えばWebサイトの指定されたURLからコンテンツをスクレイピングしてAIにプロンプトとして渡す前に、コンテンツの内容を要約するためにもAIを活用するなど、さまざまな場面で工夫しつつAIを活用していると説明しています。
今後、さらにカスタマイズを柔軟にすることや独自ドメインへの対応などを予定しているとのことです。もしかしたらMozillaはこれをWebサイトのホスティングサービス的なビジネスへと発展させようとしているのかもしれません。
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