「Dart 3」が正式リリース。100%Nullセーフティな言語に、ペイメント、ロケーションなどのAPIも直接呼び出し可能に。Google I/O 2023
Googleは5月10日(日本時間11日)に米カリフォルニア州マウンテンビューで開催中のイベント「Google I/O 2023」で、Dart言語の新バージョンとなる「Dart 3」の正式リリースを発表しました。
Dart 3 is here with three major improvements announced at #GoogleIO:
— Dart Language (@dart_lang) May 10, 2023
All code now has sound null safety
Records and patterns
Class modifiers
Details → https://t.co/sefTWYTrcs pic.twitter.com/E8MOV28mNI
Dart 3の大きな新機能は3つ。100%Nullセーフティになったこと、Patternsのサポート、クラスモディファイアの導入です。
Dart 3ではNullセーフティのみがサポート
Dart 3では100%Nullセーフとなります。
Dart 2.xまでは過去の互換性を考慮し、Nullセーフティなし、部分的Nullセーフィティ、完全に健全なNullセーフティの3つのモードを選択してアプリケーションを実行できるようになっています。
しかしDart 3ではNullセーフティのみがサポートされるようになりました。
これにより、Null値による実行時エラーの減少、実行時性能の向上などの改善が見込めます。
すでに人気のある上位1000位までのパッケージのうち99%がNullセーフティに対応しているとのことです。
構造化データにパターンマッチングを適用
PatternsはDart 3における最大の新機能と説明されており、構造化データに対してパターンマッチングを適用できるようになります。
下記がその例です。SquareとCircleで複数の値を返すために定義された構造化データ「Shape」は、17行目のswitch文でSquareのときとCircleのときそれぞれパターンマッチングにより異なる計算をするようなコードをシンプルに記述できるようになります。
Class modifiersは、APIを定義するクラスにおいて、クラスの利用者がその振る舞いを制限することができる機能を提供します。
通常のClassでは、Classに対してConstruct、Extend、Implementの操作が可能ですが、Class modifieresによってこれらを制限できます。
Class modifiersによる制限には「interface class」「base class」「final class」の3種類があります。
ネイティブ広告やプラットフォームAPIをサポート
またプラットフォーム固有のコードを書くことなくDartのコードのみでネイティブ広告をサポート。
新ツールJNIgenによって、ノーティフィケーションやペイメント、ロケーションなどのプラットフォームネイティブなAPIをDartから直接呼び出せるようになりました。
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