Cloudflare、サーバレスの「Cloudflare Workers」とJAMスタックの「Cloudflare Pages」を統合へ

2023年5月19日

Cloudflareは、同社のエッジデータセンター上で提供している2つのサービス、「Cloudflare Workers」と「Cloudflare Pages」を統合することを明らかにしました。

もともとCloudflare Workersは、同社が提供するCDNのエッジでJavaScriptのService workerを実行可能にすることで、CDNの機能を拡張することを意図して開発されました。

参考:JavaScriptのコードとService Workerをユーザーに近いCDNのエッジで実行可能。Cloudflareが「Cloudflare Workers」を提供開始

その後、Cloudflare WorkersはNode.js互換へと発展することを明らかにし、より高度かつサーバレスなJavaScript実行環境へと進化しているところです。

参考:Cloudflare WorkersがNode.js API互換の提供を発表。Bun、Denoなどに続く対応により、Node.js APIはサーバサイドJavaScriptの事実上の標準になるか

一方のCloudflare Pagesは、もともとCDNエッジで静的なWebサイトをホスティングするサービスとして始まり、その後、より高度なWebサイトの構築を実現できるようにJavaScriptとAPI、そしてMarkup Language(HTML)を主な構成要素として動的なWebサイトを実現するJAMスタックの機能が追加される方向で進化してきました。

参考:「Cloudflare Pages」が正式版に。JAMスタックによる高速なWebサイトを構築、CDNに展開へ

このようにCloudflare WorkersとCloudflare Pagesは、当初はそれぞれ異なる目的のためにスタートしたものの、機能強化によって似たようなユースケースに対応するサービスになってきたのです。

そこでCloudflareは両者を統合し、1つのダッシュボードで利用可能にしつつ、さらにストレージサービスのCloudflare R2、データベースサービスのD1、キューイングサービスのQueuesなどとシームレスに統合されたプラットフォームへとサービスを強化する方向性を明らかにしました。

さらに開発環境においてもCI/CD、Gitopsワークフロー、ライブプレビューなどを備えた、強力なサーバレスコンピューティングと超高速な静的ホスティングの両方を備えた単一の開発プラットフォームを実現するとしています。

サーバサイドJavaScriptのプラットフォームは現在、Node.jsやDeno、Bun、Vercel、AWSのAmazon CloudFront Functionsなど、さまざまなプレイヤーがサービスの強化を行っている、競合ひしめく市場になりつつあります。

Cloudflareも競合に対してより競争力のあるサービスの提供を求められる中で、今回の統合による強化の発表を行ったのだとみられます。

あわせて読みたい

JavaScript サーバレス プログラミング言語 Cloudflare JAMスタック




タグクラウド

クラウド
AWS / Azure / Google Cloud
クラウドネイティブ / サーバレス
クラウドのシェア / クラウドの障害

コンテナ型仮想化

プログラミング言語
JavaScript / Java / .NET
WebAssembly / Web標準
開発ツール / テスト・品質

アジャイル開発 / スクラム / DevOps

データベース / 機械学習・AI
RDB / NoSQL

ネットワーク / セキュリティ
HTTP / QUIC

OS / Windows / Linux / 仮想化
サーバ / ストレージ / ハードウェア

ITエンジニアの給与・年収 / 働き方

殿堂入り / おもしろ / 編集後記

全てのタグを見る

Blogger in Chief

photo of jniino

Junichi Niino(jniino)
IT系の雑誌編集者、オンラインメディア発行人を経て独立。2009年にPublickeyを開始しました。
詳しいプロフィール

Publickeyの新着情報をチェックしませんか?
Twitterで : @Publickey
Facebookで : Publickeyのページ
RSSリーダーで : Feed

最新記事10本