Cloudflare、サーバレスの「Cloudflare Workers」とJAMスタックの「Cloudflare Pages」を統合へ
Cloudflareは、同社のエッジデータセンター上で提供している2つのサービス、「Cloudflare Workers」と「Cloudflare Pages」を統合することを明らかにしました。
Pages vs. Workers -- what are you choosing?
— Cloudflare Developers (@CloudflareDev) May 17, 2023
Soon, you won't have to! We're thrilled to announce that Pages and Workers will be merging into one unified experience, giving you the best features and DX of both worlds. Learn more https://t.co/7TncMeTs4k
もともとCloudflare Workersは、同社が提供するCDNのエッジでJavaScriptのService workerを実行可能にすることで、CDNの機能を拡張することを意図して開発されました。
参考:JavaScriptのコードとService Workerをユーザーに近いCDNのエッジで実行可能。Cloudflareが「Cloudflare Workers」を提供開始
その後、Cloudflare WorkersはNode.js互換へと発展することを明らかにし、より高度かつサーバレスなJavaScript実行環境へと進化しているところです。
参考:Cloudflare WorkersがNode.js API互換の提供を発表。Bun、Denoなどに続く対応により、Node.js APIはサーバサイドJavaScriptの事実上の標準になるか
一方のCloudflare Pagesは、もともとCDNエッジで静的なWebサイトをホスティングするサービスとして始まり、その後、より高度なWebサイトの構築を実現できるようにJavaScriptとAPI、そしてMarkup Language(HTML)を主な構成要素として動的なWebサイトを実現するJAMスタックの機能が追加される方向で進化してきました。
参考:「Cloudflare Pages」が正式版に。JAMスタックによる高速なWebサイトを構築、CDNに展開へ
このようにCloudflare WorkersとCloudflare Pagesは、当初はそれぞれ異なる目的のためにスタートしたものの、機能強化によって似たようなユースケースに対応するサービスになってきたのです。
そこでCloudflareは両者を統合し、1つのダッシュボードで利用可能にしつつ、さらにストレージサービスのCloudflare R2、データベースサービスのD1、キューイングサービスのQueuesなどとシームレスに統合されたプラットフォームへとサービスを強化する方向性を明らかにしました。
さらに開発環境においてもCI/CD、Gitopsワークフロー、ライブプレビューなどを備えた、強力なサーバレスコンピューティングと超高速な静的ホスティングの両方を備えた単一の開発プラットフォームを実現するとしています。
サーバサイドJavaScriptのプラットフォームは現在、Node.jsやDeno、Bun、Vercel、AWSのAmazon CloudFront Functionsなど、さまざまなプレイヤーがサービスの強化を行っている、競合ひしめく市場になりつつあります。
Cloudflareも競合に対してより競争力のあるサービスの提供を求められる中で、今回の統合による強化の発表を行ったのだとみられます。
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