マイクロソフト、ChatGPTに任意のドキュメントを読み込ませて回答を得られる「Azure OpenAI Service On Your Data」パブリックプレビュー開始
マイクロソフトは、ChatGPTとChatGPT-4に任意のドキュメントなどを読み込ませることで、そのドキュメントに基づいた回答を自然言語で得られる新サービス「Azure OpenAI Service On Your Data」のパブリックプレビューを発表しました。
例えば、社内規約や社内マニュアルなどをChatGPTに読み込ませると、「PCの修理を申し込むための社内手続きは?」といった、汎用の知識だけしか持たない従来のChatGPTでは答えられない質問にも回答できるようになります。
さらに、ChatGPT/ChatGPT-4に任意のドキュメントを読み込ませるための支援ツール「Azure AI Studio」には、そのままチャットボットAIをWebアプリケーションとして公開する機能が備わっています。
これにより、ドキュメントやデータを読み込ませるように設定したチャットAIのサービスを、簡単に公開できるようになります。
読み込ませることが出来るデータソースは以下の3種類です。
- Azureの検索サービス「Azure Cognitive Search」のインデックス
- Azure Blob storageコンテナ
- ローカルファイル。対応フォーマットはテキスト、マークダウン、HTML、Word、PowerPoint、PDF
ドキュメントを読み込ませる設定をすれば、すぐにチャットAIが公開可能
以下は、Azure AI StudioによるAzure OpenAI Service On Your Dataの導入手順をデモ動画からの画像で紹介します。
まずAzure AI Studioから、ChatGPTに読み込ませるデータソースをプルダウンメニューで選択します。
いくつかの設定を行って、完了します。
チャットAIと実際に対話して動作を確認します。
チャットAIの回答が、どのドキュメントから引用したものなのかが示されるため、動作確認の材料とします。
OKであれば、そのままWebアプリケーションとして公開できるようにURLが提示されます。
これで、チャットAIのアプリケーションが公開され、使えるようになります。
これまで、ChatGPTなどのチャットAIを基に、さらに追加情報の学習や参照をさせようとすると、自然言語処理などの専門的なプログラミングが要求されるケースがほとんどでした。
Azure OpenAI Service On Your Dataはそうしたドキュメントの読み込みを簡単な手続きで可能にし、データソースの汎用性も高めたことで、幅広いニーズに対応したチャットAIの開発のハードルを大きく引き下げることになると思われます。
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