AWS、IPv4アドレスの使用に課金、1時間当たり0.005ドル。2024年2月1日から

2023年7月31日

Amazon Web Services(AWS)は、サービスを外部に公開するためのパブリックなIPv4アドレスを使用する場合に、1時間あたり0.005ドルの課金を2024年2月1日から開始することを発表しました

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1時間当たり0.005ドルは1日当たりに換算すると0.12ドル、1カ月を30日とすると1カ月当たり3.6ドル。1ドル140円換算で1カ月当たり504円となります。

希少資源となるIPv4アドレス

インターネットで広く使われているIPv4アドレスは数に限りがあり、12年以上前の2011年2月には管理団体からの配布が終了しています。

参考:[速報]インターネットの歴史に刻まれる、最後のIPv4割り当てセレモニーが終了

つまり、クラウド事業者やデータセンター事業者などが利用者に提供しているIPv4アドレスは、以前から事業者が所有していたか、もしくは何らかの方法で他のユーザーや事業者などから取得したものです。

つい先日、中国系IT企業がIPv4アドレスの獲得を狙って選挙で不正を働いたことが毎日新聞で報道されたように、IPv4アドレスは高値で売り買いされるものとなっています。

参考:IPアドレス売却狙いか 中国系IT企業が国際団体の選挙で不正 | 毎日新聞

こうした状況下、それぞれの事業者が保有するIPv4アドレスにも限りがあるため、AWSのように多くのユーザーを抱える大規模な事業者にとってIPv4アドレスの確保は以前から課題となっていました。

今回のIPv4アドレスに対する課金は、IPv4アドレスの確保にかかるコストの増大を反映したものだと、AWSはブログ「New – AWS Public IPv4 Address Charge + Public IP Insights」で次のように説明しています。

As you may know, IPv4 addresses are an increasingly scarce resource and the cost to acquire a single public IPv4 address has risen more than 300% over the past 5 years. This change reflects our own costs and is also intended to encourage you to be a bit more frugal with your use of public IPv4 addresses and to think about accelerating your adoption of IPv6 as a modernization and conservation measure.

ご存知のように、IPv4アドレスはますます希少な資源となっており、1つ当たりのパブリックIPv4アドレスを取得するコストは、過去5年間で300%以上上昇しています。この料金体系の変更は私たち自身のコストを反映したものであると同時に、パブリックIPv4アドレスの使用をもう少し倹約し、お客様にサービスの近代化および保全対策としてのIPv6の採用を加速していただくことを検討いただくためのものでもあります。

パブリックなIPv4への課金は、Amazon EC2、Amazon RDSを含む全てのサービスが対象となります。

ただしAWS Free Tier for EC2は、最初の12ヶ月間、月間750時間のパブリックIPv4アドレス利用が含まれ、ユーザーが所有し、Amazon BYOIPを使用してAWSに持ち込むIPアドレスには課金されません。

今回のパブリックなIPv4への課金に合わせて、AWSはIPアドレスのタイプや利用状況を把握するための新ツール「Public IP Insights」も発表しています。

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Junichi Niino(jniino)
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