AWS上で開発環境一式、コードリポジトリからテンプレートコード、IDE、CI/CDパイプラインまでを丸ごと提供する「Amazon CodeCatalyst」が正式サービスに
Amazon Web Services(AWS)は、クラウド上でアプリケーションの初期コード、インフラ設定、ソースコードのリポジトリ、コードエディタ、ビルド/テスト/デプロイを実行するCI/CDパイプライなど、アプリケーションの初期設定から開発、デプロイ、そしてチームコラボレーション機能の一式をまとめて提供するサービス「Amazon CodeCatalyst」の正式サービス化を発表しました。
Amazon CodeCatalystは昨年(2022年)12月に行われたAWS re:Invent 2022で初めて発表されたサービスです。
参考:[速報]AWS上で開発環境一式、フレームワーク、初期コード、IDE、ビルド環境、CI/CDなど提供する「Amazon CodeCatalyst」発表。AWS re:Invent 2022
複雑で手間がかかるクラウド開発環境をまとめて構築
クラウド上で実行するアプリケーション開発にはさまざまな準備が必要です。
それは開発環境のためのクラウドインフラのプロビジョニングから始まり、チーム開発のためのコードリポジトリの設定、使用するフレームワークやコードテンプレートの用意、ビルドとテスト、デプロイのCI/CDパイプラインの構築などです。
こうした環境を用意するだけでも多様なツールが必要であり、さらにそれぞれに関する専門知識とそれなりの手間がかかります。
Amazon CodeCatalystはこれらの開発環境全体を、Webサイト上でいくつかの設定項目をウィザード形式のように選択していくだけで自動的に構築し、利用できるサービスです。
フレームワークやテンプレートを選択、CI/CDパイプラインも構成
具体的には、AWSアカウントとひもづける「スペース」や開発チームを構成する「プロジェクト」などの設定を行った上で、Blueprintsと呼ばれる設定画面でリポジトリ名、フレームワーク、ホスティング先、環境を構築するリージョンなどを選択。
実際にはBlueprintsの数はもっと多くあり、SPA(Single Page Application)やToDoアプリケーション、.NETサーバレスアプリケーションなどさまざまな種類から選択できます。
プログラミング言語もJava、Python、TypeScriptなどから選択可能。
コードリポジトリとしてGitHubを使うことも可能で、またCI/CDパイプラインの構成にGitHub Actionを利用することも可能となっています。
これらの選択が終われば、クラウド上にコードリポジトリ、フレームワークとコードのテンプレート、CI/CDパイプラインなどの環境が自動的に構成され、開発に取りかかることができます。
開発ツールはCloud9、Visual Studio Code、IntelliJ IDEA、GoLand、PyCharmが選択可能で、開発環境となるコンピューティングリソースについても選択できます。
プルリクエストなどを用いてチームで開発したコードは、CI/CDパイプラインでビルド、テスト、そしてデプロイが簡単にできます。
フリーティアにより無料で利用可能
AWSには以前からコードリポジトリやビルドツールなどを提供するAWS CodeCommitやAWS CodeBuild、AWS CodeDeployなどのサービスが存在していますが、今回正式サービス化されたAmazon CodeCatalystはこれらを組み合わせたものではなく、Amazon CodeCatalystとしてまとまった開発者体験を実現するための独立したサービスだと説明されています。
Amazon CodeCatalystにはフリーティアが用意されており、1カ月あたり2000分間のビルド、60時間の開発環境、10GBのソースコードストレージ、64GB分の開発環境用ストレージなどが無料で利用可能です。
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