開発者はコーディングよりもビルドとテストの待ち時間が長く、チームの協力でコード作成が高速に。すでに92%がAIを仕事に活用。GitHubによる米国の開発者500人の調査
GitHubは、現在の開発ツールやワークフローが開発者の体験にどのような影響を与えるかについて、米国に拠点を置く企業のソフトウェア開発者500人を対象に調査した結果を発表しました。
その内容は、開発者がコーディングの時間よりもビルドやテストなどのCI待ちの時間が長いと感じていること、チーム内の協力によってカバレッジやコード作成が改善されること、そしてすでに92%がAIを仕事に活用していることなど、興味深い内容が明らかになっています。
ポイントとなるグラフをいくつか紹介しましょう。
ビルドの待ち時間が長すぎる!
開発者の典型的な1日の仕事の中で何に時間が費やされているのか、個々の開発者に時間の長い上位3つまでの時間の使われ方と1日の中でのその割合を回答してもらい、それを集計したが下記のグラフです(分かりやすいように、オリジナルの英語のグラフを一部を加工して日本語を埋め込んでいます。以後すべてのグラフを同様に加工しています)。
これを見ると、コードを書くのと同じ程度の時間を、他のチームによるビルドやテストの待ち時間に費やしていることが分かります。
デプロイ作業やコードレビュー待ちの時間も比較的多いように見えます。
日本でも先進的な企業の多くではCI/CDの導入が進もうとしていますが、まだまだこの分野のツールやテスト、ワークフローには改善の余地があるということでしょう。
次は質問の対象を「開発者個人」から「チーム」に変えて、時間の使われ方を調査した結果です。これも同様に上位3位までの割合を答えてもらっています。
こちらではコードを書いている時間が最も長く、次に脆弱性への対応、そしてユーザーからのフィードバックを得ることと続いています。
個人とチームのいずれにも3番目にユーザーからのフィードバックを得ることが入っている点も注目すべき点と言えそうです。
チーム内のコラボレーションによる効果とは?
次のグラフは、効果的なチーム内のコラボレーションにはどのような要素がもっとも重要か? についての調査結果を示したものです。
もっとも多かったのが、日常的な打ち合わせ(Regular Team meetings)、2番目が通常の非同期なコミュニケーションとなり、3番目に定期的なミーティングとなっていることから、開発者は定期的なミーティングよりもカジュアルなコミュニケーションの方を重要視していることが分かります。
そうしたチームでのコラボレーションがどのようなインパクトを持つのかを示したのが、次のグラフです。
コラボレーションによってカバレッジが改善されることが1位、2位にはコード作成がより高速になり、3位にはよりクリーンなコード作成が実現されることとなっています。
92%は仕事にAIを活用している
AIコーディングツールを仕事に活用しているかどうかについては、92%が仕事に活用しているとの調査結果です。しかも67%は仕事にも仕事以外にも活用しているとのこと。
GitHub Copilotを推しているGitHubの調査ですから、高い値が出て当然とはいえ、現時点で92%は相当に高い値ですね。
そしてAIコーディングツールは日常の仕事になにをもたらしているのか? については、コーディングスキルの向上、生産性の向上が挙げられています。
これは多くの方にとって納得できる結果なのではないでしょうか。
詳しい調査結果は「Survey reveals AI’s impact on the developer experience | The GitHub Blog」をぜひ参照してみてください。
あわせて読みたい
カプセルトイ「手のひらネットワーク機器」発売、取扱店舗一覧が公開。1個500円、シスコ、古河電気工業、A10ネットワークスが監修
≪前の記事
Javaのネイティブバイナリ生成可能なGraalVMの全機能が無料に、最適化コンパイラやG1ガベージコレクションを含む。本番環境でも利用可能