WasmバイナリをWin/Mac/Linuxで実行可能なバイナリファイルへ変換可能に「Wasmer 3.0」正式リリース

2022年12月6日

スタンドアロンのWebAssemblyランタイム「Wasmer」の最新版「Wasmer 3.0」が正式リリースされました。

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Wasmerはオープンソースで開発されているWebAssemblyランタイムです。

WebAssemblyの動向を調査しているThe State of WebAssembly 2022によると、WasmerはWebAssemblyランタイムとして事実上の参照実装であるWasmtimeに続いて2番目に人気のあるランタイムとなっています。

参考:WebAssemblyアプリ開発ではRustが一番人気、用途ではサーバレスが急上昇、ランタイムはWasmtime。The State of WebAssembly 2022

WindowsやMac、Linuxで実行できるネイティブバイナリの生成が可能に

Wasmer 3.0での注目の新機能は、WindowsやMac、Linuxでそのまま実行できるネイティブバイナリの生成機能でしょう。これによりWebAssembly経由でさまざまなプラットフォーム向けのバイナリが生成できることになります。

具体的にはWebAssemblyバイナリからWasmerがターゲットとなるプラットフォームに対応した静的なバイナリを生成し、そのバイナリを読み込んで実行する最小限にWasmerのサブセットをリンクして実行形式にするものです。

これによりWebAssemblyの特徴である安全なサンドボックスを備えつつ、ネイティブなバイナリの実行が可能になると説明されています。

また、WebAssemblyのパッケージマネージメントとレジストリの機能を備えたWAPMも機能強化が行われました。

これまではいったんWebAssemblyのパッケージを手元のマシンにダウンロードしてからでないとパッケージを実行することができなかったのですが、「wasmer run」コマンドで直接リポジトリ上のパッケージを指定すると、自動的にダウンロードが行われてそのまま実行されるようになりました。

そのほかWasmer 3.0では高速化やWASI対応の改善、コンパイラの改善、実行エンジンのシンプル化など多くの改善が行われています。

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