VMwareが「vSphere 8」と「vSAN 8」を発表。SmartNICへ処理をオフロード、SSDに最適化したアーキテクチャで高速化など
VMwareは同社の仮想化ハイパーバイザとストレージ仮想化ソフトウェアのメジャーバージョンアップ版となる「vSphere 8」と「vSAN 8」を発表しました。
vSphere 8はヘテロジニアスなハードウェアの活用へ
Introducing #vSphere8!
— VMware vSphere (@VMwarevSphere) August 30, 2022
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vSphere 8における最大の新機能はDPU(Data Processing Unit)への対応です。いまや仮想化ハイパーバイザではプロセッサもネットワークもストレージも仮想化が進んだことで、CPUには膨大な負荷がかかるようになってきました。
これまでは主にCPUのマルチコア対応によってこうした負荷の増大に対応してきましたが、vSphere 8ではDPU、具体的な代表例としてはいわゆる「SmartNIC」のようなインテリジェントなNICに対してCPUの処理の一部をオフロードすることができるようになります。
DPUへ負荷をオフロードするとともにDPUが持つキャッシュを活用するなどで、ネットワーク処理やストレージI/Oなどの性能改善とCPUの負荷を減らすことが期待されるわけです。
VMwareはこのDPUへのオフロードにより、Redisを用いたベンチマークでそれぞれ最大でCPUコアの負荷を20%減らすことができ、DPUのキャッシュ活用などによりワークロードにおけるトランザクション性能が36%向上、レイテンシが27%減少したと説明しています。
VMwareはこのDPUへのオフロード機能をAMD、インテル、NVIDIAなどのチップベンダやデルテクノロジーズ、レノボ、HPEなどのパートナーと協力して取り組んでいるとしています。今後さまざまなベンダから登場するであろうヘテロジニアスなハードウェアの活用が期待されます。
vSAN 8はSSDに最適化された新アーキテクチャ採用
Announcing @VMware #vSAN 8, with Express Storage Architecture:
— VMware vSAN (@vmwarevsan) August 30, 2022
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vSAN 8では、vSANが登場して以来最大ともいえる新アーキテクチャ「vSAN Express Storage Architecture」(以下、vSAN ESA)が組み込まれました。
新アーキテクチャのvSAN ESAに対して、従来のvSANアーキテクチャは「vSAN Original Storage Architecture」(vSAN OSA)と呼ばれますが、vSAN OSAが開発された頃のストレージはまだハードディスクドライブが主流であり、vSAN OSAもそれに最適化されたアーキテクチャでした。
しかし現在、ストレージのメディアはSSDが主流となり、そのための高速なインターフェイスであるNVMeも普及し、CPUもメニーコア化し、ネットワークも高速化しています。vSAN ESAはこうした現在のストレージハードウェアに最適化されたアーキテクチャです。
具体的には新しく「Log-structured file system」(ログ構造のファイルシステム)による非常に効率的なフルストライプの書き込みと、「Optimized log-structured object manager and data structure」(最適化されたログ構造のオブジェクトマネージャとデータ構造)による高速なブロックエンジンとキーバリューストアによるオーバーヘッドが非常に小さいメタデータの書き込みなどを採用。
これによりRAID1ミラーリングと同等の性能で、利用効率の高いRAID5/6のイレイジャーコーディングを実現し、従来よりも4倍も圧縮効率の高いデータ圧縮を提供するなどの利点があるとしています。
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